【復習】2025-05-19⇒2025-05-23【相場材料とチャート】
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今週の高値はゴトー日のドル買い需要の勢いで戻りを試した火曜日の145円50銭台で、これは前週の高値と比べて3円10銭ほど下でした。
今週の安値はトランプ大統領のSNS投稿でショック相場となった金曜日の142円40銭台で、これは前週の安値と比べて2円50銭ほど下でした。
今週の高値と安値を比べると、その差は約3円でした。

先週の週足(上ヒゲ陰線)が示唆したとおり、再び下落基調となったドル円相場を中心に、今週の相場材料を復習します。
東京時間 TOKYO Session
・前週金曜日のNYクローズ間際に報じられた「ムーディーズによる米国債の格下げ」報道を受け、週明けはドル円や米株が下窓を開けてスタート
・ただし市場の反応は冷静で、金曜日の安値付近では支えられた
・中国小売売上高は市場予想を下回った
ロンドン時間 LONDON Session
・ムーディーズの格下げ余波を受け、欧州株も下げてスタート
・トランプ=プーチン電話会談やG7財務相会議が意識され、為替は方向感に欠ける展開
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・米債格下げショックが一巡し、米株は押し目買い優勢。
・トランプ大統領とプーチン大統領が、ウクライナ戦争の停戦をめぐり2時間の電話会談。
― 目立った成果は報じられず、市場の反応も限定的
・複数のFRB高官がタカ発言。
― ボスティック総裁は「金利変更は3~6ヵ月待つ必要がある」
― ジェファーソン副議長は「当面は静観が適切」
― ウィリアムズ総裁「状況が見えるのは6月~7月以降」と、9月以降の利下げを示唆
東京時間 TOKYO Session
・赤沢経済再生相「日米関税交渉、19日から事務方レベルで実施」→円買い
・加藤財務相「G7でベッセント氏と会談の機会あれば、為替を含め議論」→円買い
・「23日の日米関税交渉にベッセント氏は出席しない」との報道で、一時円売り
・中国は最優先貸出金利(ローンプライムレート)を市場予想どおり引き下げ
・豪中銀(RBA)は市場予想どおり政策金利を25bps引き下げ、声明はハト派に変化
― 「インフレ上振れリスクは減少」→豪ドル売り
― ブロック総裁は会見で、50bps利下げの話も出たことを明かした
・石破首相が「日本の財政はギリシャより良くない」と発言→日本の国債売り
ロンドン時間 LONDON Session
・G7財務相会議の開幕を前に、為替や通商政策に対する警戒感から円買い戻しが強まる場面も
・欧州株は軟調、全体としてリスクオフ継続
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・カナダでG7財務相・中銀総裁会議が開幕
― NY時間中には目立った報道が見られず、米株はまちまち、ドル円は方向感に欠ける展開
東京時間 TOKYO Session
・「イスラエルがイランの核施設を攻撃する可能性」と報道→円買い・スイスフラン買い
・日経平均も反落、アジア株全体がリスクオフ気味に推移
ロンドン時間 LONDON Session
・中東リスクを受け、欧州株も下落スタート
・欧州債券市場では独債が買われ、米独金利差縮小もドル売り圧力に
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・ムーディーズ格下げ後初の米20年債入札が不調→米債売り・米株売り・ドル売り
・米株は主要3指数がそろって下落、リスクオフの流れが強まる
東京時間 TOKYO Session
・G7財務相会議にあわせて日米財務相会談が実施された
― 為替けん制なし、円安是正に言及なし → 円売り
― 米側「現時点のドル円はファンダを反映」との認識
・日銀の野口審議委員「利上げは“ほふく前進的”なアプローチが重要」と慎重姿勢
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・米下院で税制・歳出法案が可決→米債買い・株買い・ドル買い
・米5月製造業PMI速報値が予想上振れ、50台を回復
東京時間 TOKYO Session
・前日の米債利回り低下を受けて、日本の超長期債利回りも一転して低下 → 株価反発
・日本の4月コアCPIインフレは前年比 +3.5%(予想 +3.4%、前回 +3.2%)と、市場予想を上回る強い内容→円買い
・石破首相とトランプ大統領が電話会談
― 6月中旬のG7サミットで日米首脳会談を実施することで一致
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・トランプ大統領のSNS投稿でショック相場→リスクオフ
― 「iPhone、国内製品しなければ25%関税」
― 「6月1日からEU製品に50%関税を課したい」
― 欧州株が売られるとともに、米株・米ドルも売られ、米債は一時リスクオフで買われるも徐々に売り優勢に
・ 欧州短期金利市場ではECBの年内追加利下げ3回を織り込む動きも
・リスクオフ連鎖:ゴールドが急騰、仮想通貨が急落
・日本政府関係者「レアアース協力を対米関税交渉の切り札に」
・日鉄のUSスチール買収をトランプ大統領が承認
・3回目の日米関税交渉が終了
― 赤沢経済再生相「G7サミットに合わせた日米首脳会談で合意があるのが望ましい」

今週の相場をまとめると
【前半は様子見、後半は“トリプル安”の波に揺れた一週間】
でした!
CMEのFedWatchツールによれば、今週、利下げ織り込みはやや後退しました。
2週間前(画像1枚目)、1週間前(画像2枚目)、そして今週末(画像3枚目)のFedWatch比較してみます。
年内の利下げ回数については、米国の関税導入による景気後退懸念やトランプ政権による圧力から、一時は年3~4回が優勢でした。しかし、今月は注目指標の雇用統計が上振れ。さらに5月FOMCでは、パウエルFRB議長が利下げ慎重姿勢を維持&FRBの独立性をアピール。こうした流れを受けて、現在は年内2回が優勢となっています。

見慣れないと分かりづらいかもしれませんが、この表は「いつのFOMC会合で(縦軸)、政策金利がどの水準になるか(横軸)」について、市場がどの程度織り込んでいるか(何%の市場参加者がそう考えているか)を示す表です。


