【復習】2025-05-26⇒2025-05-30【相場材料とチャート】

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前週から高値切り上げ・安値切り下げ!【今週の相場材料とチャート】

今週の高値トランプ関税の差し止め命令が出た木曜日の146円30銭付近で、これは前週の高値と比べて80銭ほど上でした。

今週の安値本邦実需の売りとともに下値を試しに行った火曜日の142円10銭台で、これは前週の安値と比べて30銭ほど下でした。

 

今週の高値と安値を比べると、その差は約4円20銭でした。

キーワードは“タコ”!?トランプ節に市場は食傷気味?【今週の相場材料を読む】

週足は高値切り上げ・安値切り下げとなり、方向感を模索するドル円相場を中心に、今週の相場材料を復習します。

前週末の材料

24日(土)の相場材料

トランプ大統領サムスンや他のスマートフォンメーカーにも25%関税

 ― 「アップル製品に25%関税」発言をめぐる記者の質問を受け、「米国内で製造しなければ他社にも同じ条件を課す」と答えた。

・ロシアがウクライナに対し、全面侵攻後最大規模の夜間攻撃を仕掛けた。

25日(日)の相場材料

3回目の日米関税交渉の終了を受けた石破首相の動き

 ― 石破「USスチール買収の承認、正式な発表を待ちたい」「日米関税合意はG7目標に」

26日(月) 日足:陽線

金曜日のNY市場を揺るがせた米国の「欧州50%関税」について延期が報じられ、リスクオフの巻き戻し。ただし、この日は英・米がそれぞれ休場で、夕方以降は動きが乏しくなった。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

トランプ大統領と欧州委員長が電話会談を実施し、関税延期で合意リスクオン

 ― 欧州委員長「良好な会談ができた

 ― トランプ大統領「欧州50%関税、7月9日まで延期で合意

・この報道を受けてドル円は一時143円台に乗せるも、二転三転するトランプ氏の言動に市場は警戒感を強めており、上がったところでは利確売りに押された

・財務省が実施した流動性供給入札は強い結果

 ― 翌日の40年債入札に対する警戒感が後退、日本の国債利回りが低下

英・米が休場となるなか、ポジション調整的なドルの買い戻しも出て、方向感に欠けた

27日(火) 日足:大陽線

日本の国債発行計画見直し報道をきっかけに国内債券が急騰し、世界的な債券高へ波及。休場明けの英・米市場では前日の関税延期が好感された。米指標も改善。リスクオンが鮮明となり、ドル円は大幅上昇。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

ドイツがウクライナのロシア領攻撃を容認との報道 → 欧州の地政学リスク再燃

植田総裁の発言円買い

 ― 「見通し実現すれば、2%目標持続達成へ利上げ継続

 ― 「足元の物価上昇、ユーロ圏や米国より高い

 ― 「食料価格の上昇が基調的インフレに与える影響に注意が必要」

・一部報道「財務省が国債発行計画を見直す可能性」が伝わる→円売り

 ― 財務省が国債市場参加者にアンケートを送付したことから、超長期金利の上昇に配慮して国債発行額の減額を検討しているのではないかという観測

 ロンドン時間 LONDON Session

休場明けのロンドン市場で「対欧州50%関税の延期」が改めて評価された→リスクオン

 ニューヨーク時間 New York Session

米消費者信頼感指数(コンファレンスボード)

 ― 市場予想(96.0)を上回る 102.8 と回復→ドル買い

・トランプ氏が進める税制法案に「外国人投資家の利子・配当への段階的増税」を認める条項(第899条)が含まれていることへの懸念が一部で指摘される

 ― 「対象はすでに源泉徴収の対象となっている所得に対し、「現行税率に5%上乗せ(翌年以降もさらに5%ずつ増加可能)」という形式

 ― 一方、現在非課税となっているポートフォリオ利子(PIE)は、現行制度では第899条の課税対象外

 ― したがって、この条項は将来的なPIE撤廃を見越した構造とされ、外国からの米国債・社債投資に実質的な増税圧力がかかる可能性

28日(水) 日足:陽線

東京時間は多様な材料が重なり、ドル円は乱高下。145円の節目を前に、前日の大幅上昇の反動もあって、利確売りに上値を抑えられた。NY時間はFOMC議事録やエヌビディア決算が注目されたが、方向感は限定的だった。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

加藤財務相「最近の国債利回り上昇の背後にある市場の懸念、認識している」「動向を注視」

 ― 「国債発行計画の見直し」報道に現実味

ウィリアムズ総裁「インフレ加速すれば強力に対応」→ドル買い

豪4月CPIは前年比 +2.4% と横ばいで、CPIトリム平均は前年比 +2.8% に加速

 ― いずれも市場予想を上回り、豪ドルは買われるも一時的

NZ中銀(RBNZ)は市場予想どおり金利を引き下げ

 ― 今回利下げ自体は織り込み済み、5人中1人が据え置きを主張→NZドル買い

日本の40年債の入札は低調、落札利回りは過去最高水準

 ― 一時的に債権売り・円買いが出るも、国債発行計画見直し期待が支えに

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

・トランプ大統領は、自身の関税ディールについて米投資家の間で「TACO(Trump Always Chickens Out:トランプはどうせ最後は引き下がる)」と揶揄する声が広がっていることについて問われ「最も不快な質問」と回答

 ― 会見で取り上げられたことで日本人トレーダーの間でも話題に

・FOMC議事録は慎重姿勢を維持

・エヌビディアの決算を控えて市場は様子見ムード、株は調整売りも

・エヌビディア決算(1Q)はESP・売上ともに市場予想を上回り、株が買われた

 ― ただし見通しは予想を下回った

29日(木) 日足:上ヒゲ陰線

東京時間は「トランプ関税の差し止め」が報じられ、一時リスクオン。ドル円は146円に乗せるも、トランプ政権の反応に警戒感が高まってロンドン時間には全戻し。NY時間には「差し止め命令」に対する「差し止め命令」が出されて、ますます不透明感が高まった。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

米国際貿易裁判所、トランプ政権による関税措置の差し止めを命令ドル買い円売り

 ― 国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠とした関税措置は「大統領権限を逸脱している」との判断

・ 裁判所は政権に対し「10日以内の実行」を命じるも、政権側は即座に控訴を表明

・報道「石破首相、今夜トランプ大統領電話と会談

 ロンドン時間 LONDON Session

・「トランプ大統領の反応」への警戒感から朝のドル買いを打ち消す動きに

 ― 政権が控訴したことを受け、関税をめぐる裁判が長期化する恐れ

 ― 「IEEPAとは別の法的根拠で関税維持は可能」との見方も広がる

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

・エヌビディア決算を好感して米株は高く寄り付くも、関税の混乱と不透明感で反落

・安倍昭氏、プーチン大統領とクレムリンで面会

・石破首相とトランプ大統領が電話会談

 ― 成果は報じられず、相場は無風

米連邦高裁がトランプ関税の「当面の効力」を認め、国際貿易裁判所の命令を一時差し止め

30日(金) 日足:下ヒゲ陰線

関税をめぐる乱高下で相場には疲労感も。東京都区部CPIで円買いが強まる場面もあったが、週末を控え日中は様子見ムード。夜はトランプ氏の中国に対する強硬な発言でリスクオフが強まる場面もあったが、相場は比較的冷静に受け止めた。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

5月東京都区部CPIは上振れ

 ― 生鮮食品を除くコアCPI:前年比 +3.6% (予想 +3.5%、前回 +3.4%)

 ― 特に、コメ類は +93.7%

・WSJ報道:トランプ政権、裁判所の関税差し止め判決を受け「プランB」を検討中

 ― 政権は、たとえ控訴がうまくいかず現在のIEEPAに基づく関税が差し止めとなった場合でも、1974年通商法に基づいて一定の関税賦課は可能とみている

 ― 政権の主張によれば、1974年通商法のある条項には「貿易不均衡に対処するため150日間、最大15%の関税を課すことを認める」文言が含まれているという(ただし、この条項はこれまで一度も使用されたことがない)

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

トランプ大統領中国が米国との合意に違反した。ミスター・ナイスガイはもうやめる」

 ― 一時的に株価が急落し、オセアニア通貨が売られ、リスクオフ相場に

 ― SNSでは「TACO(Trump Always Chickens Out:トランプはどうせ最後は引き下がる)」を合言葉に、押し目買いの雰囲気も

米4月PCEデフレータは前年同期比の伸び率が減速

 ― 総合:前年同月比 +2.1%(予想 +2.2%、前回 +2.3%)

 ― 食品・エネルギー除くコア:前年同月比 +2.5%(予想 +2.5%、結果 +2.7%)

 ― FRBが最も重視するインフレ指標がやや鈍化したことで、年内利下げ観測に一定の支援

トランプ大統領習近平主席と会談するつもりだ」

トランプ大統領鉄鋼関税、2倍の50%に引き上げる

今週の相場をまとめると

【大統領リスクに免疫獲得?】

でした!

年内利下げ2回を織り込み【定点観測!FF金利先物】

 CMEのFedWatchツールによれば、今週、利下げ織り込みはやや前進しました。

 2週間前(画像1枚目)、1週間前(画像2枚目)、そして今週末(画像3枚目)のFedWatch比較してみます。

 年内の利下げ回数については、米国の関税導入による景気後退懸念トランプ政権による圧力から、一時は年3~4回が優勢でした。しかし、今月は注目指標の雇用統計が上振れ。さらに5月FOMCでは、パウエルFRB議長が利下げ慎重姿勢を維持&FRBの独立性をアピール。こうした流れを受けて、現在は年内2回が優勢となっています。

見慣れないと分かりづらいかもしれませんが、この表は「いつのFOMC会合で(縦軸)、政策金利がどの水準になるか(横軸)」について、市場がどの程度織り込んでいるか(何%の市場参加者がそう考えているか)を示す表です。