【復習】2024-08-05 ⇒ 2024-08-09 【相場材料とチャート】
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今週の高値は内田副総裁の発言に反応して付けた147円90銭台で、これは前週の高値と比べて7円30銭ほど下でした。
今週の安値は米雇用統計後に米ドル売りが強まって付けた141円70銭付近で、これは前週の安値と比べて4円70銭ほど下でした。
高値と安値を比べると、その差は約6円20銭でした。
・7月末に決定された日銀の追加利上げを受けて、週明けは円キャリートレード(低金利の円を借り入れて高金利通貨に投資する運用)の急速な巻き戻しが発生。
・日経平均株価は3万1000円台の年初来安値を付け、1日で下げた値幅としては『ブラックマンデー超え』と話題に。
・火曜日の東京市場クローズ後には日銀・財務省・金融庁による三者会合が実施されるも、特筆すべき声明は出なかったため、再び円買い。
・火曜日の夜には三村財務官が「マーケットの不安定な状況は緊張感を持って注視する必要がある」「為替は特定の水準ではなくボラティリティを見ている」などとコメント。また、介入に関して「(前任の神田さんから)担当者が変わったからといって政策が変わるものではない」と牽制。
・米新規失業保険申請件数は市場予想を下回る減少でドル買い。
バカンスシーズンを迎えた市場ですが、日銀会合以降に高まったボラティリティが収まりきらず。
週明けに大きく下落したあと、火曜日以降は戻りを試しながらややレンジ気味の動きが多くなったのですが、それでもなかなかの値幅がありましたね。
日経平均株価がブラックマンデーを超える下落幅を見せて話題になったね。
今年1月の安値を割り込んだことで、新NISAで投資を始めた人の大多数が含み損を抱えることになりました。
それ以上のパニック売りを防ぐため……か、否かは定かではないけど、日銀の内田副総裁が金融経済懇談会の挨拶の中で「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」 、「当面、現在の水準で金融緩和をしっかりと続けていく必要がある」と発言。
これによって急速な巻き戻しが発生して、あれだけ落ちたドル円の週足が一気に陽線になったんだ。
今週の週足はなが~い下ヒゲが付いた陽線で終わったね。
木曜日に発表されたアメリカの新規失業保険申請件数が下振れたことも大きかったかな。
先週のISM製造業や雇用統計の結果を受けて、雇用市場の急ブレーキが懸念されていたタイミングだったので、雇用関連の指標が堅調さを示したのは市場に安心感を与えたと思う。
CMEのFedWatchツールで、利下げ織り込み度を確認します。
先週末と今週末のFedWatchを比較すると、利下げ織り込みは前進しています。1つめの画像が先週末、2つ目の画像が今週末のFedWatchです。9月会合での25bps利下げ織り込みは78.0%から51.0%に減少。その代わり、50bpsの利下げ織り込みが22%から49%と倍増しています。
見慣れないと分かりづらいかもしれませんが、これは「いつのFOMC会合で(縦軸)、政策金利がどの水準になるか(横軸)」について、市場がどの程度織り込んでいるか(何%の市場参加者がそう考えているか)を示す表です。
今週の金曜日も市場は薄めに感じましたが、次週の12日月曜日は東京市場が休場です。いよいよお盆休みですね。ただし、13日火曜日には米PPIが、翌14日水曜日には英・米のCPIがあります。さらに15日木曜日には豪雇用統計に米小売売上高と注目のイベントが続くため、夜はそれなりのボラティリティが期待できます。
サプライズ的な弱さだった雇用統計を受けて50bpsの利下げ期待も広がるなか、物価動向に注目が集まります。それから、先週から今週にかけて大きく動いたことで円売りポジションはかなり解消されています。さらに、バカンスシーズンで市場が薄くなることも頭に置いておきたいところです。