【復習】2024-08-12 ⇒ 2024-0816【相場材料とチャート】
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今週の高値は米小売売上高が発表された日のNY時間終盤に付けた149円40銭前後で、これは前週の高値と比べて50銭ほど上でした。
今週の安値は岸田首相が次の総裁選に出馬しない意向を表明した水曜日の146円付近で、これは前週の安値と比べて4円30銭ほど上でした。
今週の高値と安値を比べると、その差は約3円30~40銭でした。
・前週末にボウマンFRB理事がインフレの上振れリスクを指摘し、利下げに慎重な姿勢を見せた。
・月曜日、東京市場が休場のなか桜井元日銀審議委員のインタビューが報じられる。桜井氏は「実体経済の急速な改善は見込みづらい」とし、「追加の利上げは、少なくとも年内は無理。次の3月までに1度、できるかできないか」とコメント。株買い・円売りを誘った。
・月曜日の夜にはイランがイスラエルに対して攻撃に踏み切るとの見方が広がり、リスクオフの動き。
・米PPIは市場予想を下ぶれる低い伸び率。市場はこれを9月利下げを後押しする材料とみなし、株価が上昇しドルは売られた。
・岸田首相が総裁選に出馬しない意向を示した。後任の候補として、日銀7月会合を前に「利上げ要請」発言が報じられた茂木氏や河野氏の名前も挙がってることから、追加利上げ観測が高まり円買いを誘った。
・ニュージーランド中央銀行(RBNZ)はコロナショック以降で初めての利下げに踏み切った。市場予想では据え置きが優勢だったためNZドルが大きく売られ、豪ドルも連れ安となった。
・米CPIは市場予想をほぼ市場予想どおりの結果で、インフレの順調な鈍化傾向を示した。9月利下げを肯定する内容ではあるが、すでにかなり織り込み済みとみられ、ドル円はレンジを抜けられず。
・豪雇用統計は市場予想を大きく上回った。前日にRBNZの利下げで売られたぶんの下落幅が急速に買い戻された。
・木曜日は米小売売上高が大きく上振れたことと、米新規失業保険申請件数が2週連続で下振れて雇用の堅調さを示したことが相まってドル買い優勢に。
・金曜日は、次週にジャクソンホール会議を控えていることや中東情勢も絡んでポジション調整の動きが目立った。
日本はお盆休みの人が多いなか、けっこう動きのある1週間だったね。
ブラックマンデー超えの下落を見せて話題になった日経平均株価は今週、最高値からの下落幅のうち61.8%を回復しました。
下のチャートは日経平均の日足です。
7月11日の最高値(4万2400円台)と8月5日の安値(3万1100円台)を結んだフィボナッチ・リトレースメントを見ますと、木曜日に半値戻し(3万6800円台)を達成し、金曜日には61.80%のライン(3万8100円台)を付けています。
金曜日の終値は3万8000円台でした。
先週の頭に投資信託を買い増ししたんだけど、もっと思いっきり買ってもよかったかも……。
あの時点では「すぐに2番底を付けに行くのでは」とみてる人も多かったんだよね。
それが今週になって要人発言や経済指標で急速に回復し始めたことで、「買い遅れた」と思った人が慌てて付いていってる感じもする。
CMEのFedWatchツールで、利下げ織り込み度を確認します。
先週末(下の画像2枚目)と今週末(3枚目)のFedWatchを比較すると、利下げ織り込みは後退しています。1つめの画像が2週間前、2つ目の画像が先週末、3つ目の画像が本日のFedWatchです。9月会合での25bps利下げ織り込みは75%まで戻ってきました。その代わり50bpsの利下げ織り込みが25%まで下がり、9月会合での利下げ幅は25bpsがコンセンサスとなりつつあることが分かります。月初には雇用統計の下振れを受けて一気に50bpsの利下げが見込まれ、一部では緊急利下げもあり得るのではないかと噂されていましたが、ここ2週間の新規失業保険申請件数からは直近の雇用が堅調があることが示されています。
見慣れないと分かりづらいかもしれませんが、これは「いつのFOMC会合で(縦軸)、政策金利がどの水準になるか(横軸)」について、市場がどの程度織り込んでいるか(何%の市場参加者がそう考えているか)を示す表です。
次週のいよいよジャクソンホール会議ですね。毎年、アメリカのワイオミング州にあるジャクソンホールで開催される経済シンポジウムで、各国の中銀総裁や政治家、経済学者などが参加します。特に注目度の高いパウエルFRB議長の講演は23日金曜日に予定されています。一方、日本の植田日銀総裁の動向はといえば、昨年は参加されていますが今年は不参加となる見込み。というのも、植田総裁は同じ23日におこなわれる財務金融委員会(閉会中審査)に召集されているのです。日銀7月会合以降に株価が暴落したことについて、政治家のみなさんとしては日銀に話を聞く必要がある(たとえそれがパフォーマンスにすぎなくても……)ということでしょう。この財務金融委員会には鈴木財務相も出席される予定です。