【復習】2024-08-26 ⇒ 2024-08-30【相場材料とチャート】
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今週の高値は金曜日のPCEデフレータ発表後に付けた146円20銭台で、これは前週の高値と比べて1円80銭ほど下でした。
今週の安値は前週末の材料を受けて下落した週明けの143円40銭で、これは前週の安値と比べて60銭ほど下でした。
今週の高値と安値を比べると、その差は約2円80銭でした。
月曜日 週明けの東京時間はドル売り・円買い優勢でスタート。材料となったのは前週末のパウエルFRB議長の発言と中東情勢の悪化。パウエル議長は前週のジャクソンホール会議で「調整する時が来た。方向性は明確だ」と語った。また、中東ではヒズボラがイスラエルに対して報復攻撃をおこなった。
月曜日 米耐久財の全体の数字は上振れ。ただし、航空機を除くコア資本財(非国防資本財)は下振れており、民間の設備投資が鈍化していることを示唆。発表直後はドル売りで反応。
月曜日 サンフランシスコ連銀のデイリー総裁が利下げ開始を支持する発言。
火曜日 日本の基調インフレは市場予想を下振れ。トリム平均(刈込平均)も2%を下回った。
水曜日 エヌビディアの決算は好結果だったが、株価が史上最高値に迫っていたこともあり利益確定の売りが先行。
木曜日 アトランタ連銀のボスティック総裁が「利下げを開始する時が来た。ただし、実際に利下げする前にもう少し確信を持てるデータが欲しい」と発言。
木曜日 欧州時間にドイツ各州のCPIが発表されたが、経済力の高いヘッセン州やバイエルン州も含めて軒並み市場予想を下振れ。一時的にユーロ売りが強まり、ドルや円が買われた。
金曜日 東京CPIは市場予想を上振れ。一方、日本の雇用統計は完全失業率が市場予想を上振れ。いずれも市場の反応は限定的。
金曜日 米PCEデフレータはほぼ市場予想どおりの数字だったことで、過剰な利下げ織り込みが剥落してドルが買い戻された。
今週の相場は、
【なんだかんだ材料は出ていたけど、結局PCEデフレータ待ちのレンジ】
でした!
週明けの朝は「今週も円買いか?」って思ったけど、143円後半~144円前半ではしっかり買い支えられてた感じかなぁ。
今週のドル円相場は中東情勢の悪化や注目指標に対する警戒感から、ここ数ヵ月の安値圏でレンジ相場となったね。
金曜日のPCEデフレータが仮に下振れたらFRBが一気に50bpsの利下げに踏み切る可能性もあるとみられていたなか、結果は市場予想どおりの数字だった。
そのため、金曜日の夜は過剰な利下げ織り込みが剥落してドルが買い戻されたんだ。
月末フローもあってドル円は146円台まで買われ、今月の下落幅の半分近くを回復しているよ。
ドル円の8月の終値は146円10銭台でした。
8月の高値と安値を結んだフィボナッチ・リトレースメントを見ると、50%のラインにはわずかに届いていない位置で引けています。
また今年の最高値からの下落幅に対しても23.6%のラインの下で終わった形になっています。
CMEのFedWatchツールで、利下げ織り込み度を確認します。
先週末(下の画像1枚目)と今週末(1枚目)のFedWatchを比較すると、利下げ織り込みはやや前進しています。9月会合での25bps利下げ織り込みは76%→70%と減少。その代わり50bpsの利下げ織り込みが24%→30%と増加しており、市場のコンセンサスは依然25bpsの利下げであるものの一気に50bpsの利下げがおこなわれてもおかしくないとみていることが分かります。
見慣れないと分かりづらいかもしれませんが、これは「いつのFOMC会合で(縦軸)、政策金利がどの水準になるか(横軸)」について、市場がどの程度織り込んでいるか(何%の市場参加者がそう考えているか)を示す表です。
来週は月初め恒例の指標ラッシュです。月曜日はアメリカの休日(レイバーデー)ですので、ニューヨーク市場が休場であることも頭に入れておきましょう。
円の相場材料として注目されるのは、5日木曜日に予定されている高田日銀審議委員の講演です。高田委員の今年2月末にタカ派発言をしてドル円の急落を招きました(参照:【復習】2024-02-26⇒2024-03-01【相場材料とチャート】)。このため、日本だけでなく海外の投資家も発言に注目している可能性があります。日本の経済指標は、毎月勤労統計調査(5日木曜日)や景気動向指数(6日金曜日)の発表があります。
続いてドルの相場材料です。最大の注目は6日金曜日の雇用統計ですが、3日火曜日のISM製造業景気指数、5日のISM非製造業景気指数にももちろん警戒が必要です。また、雇用統計までにJOLTS求人件数(4日水曜日)、米ADP民間部門雇用者数(5日木曜日)、新規失業保険申請件数(5日木曜日)と、雇用関連指標が多数発表されることにも注目。
9月17日・18日に迫るFOMC。FRBの理事たちは7日土曜日からFOMCまでブラックアウト期間(経済政策に関する発言を控える期間)に入ります。その直前の6日金曜日にウォラー理事が経済の見通しに関する講演を予定しており、FOMC前に市場へどのようなメッセージを伝えるのか注目されます。