【復習】2024-09-02⇒2024-09-06【相場材料とチャート】

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ざっくり振り返る 今週の相場材料とチャート

今週の高値前週末の材料を受けて上昇した月曜日の147円20銭台で、これは前週の高値と比べて1円ほど下でした。

今週の安値雇用統計後に付けた141円70銭台で、これは前週の安値と比べて1円70銭ほど下でした。

 

今週の高値と安値を比べると、その差は約5円50銭でした。

▶ 今週の勘どころ!

月曜日 週明けはNY市場が休場。前週の金曜日はPCEデフレータを受けてドル円は急騰しており、この流れを引き継ぐ形で一時147円台を付ける。

月曜日 総裁選への立候補を表明している石破氏がテレビ番組に出演し、金融所得に対する課税強化を訴えた。日経先物が下落。

火曜日 日銀の植田総裁が改めて利上げ継続姿勢を示し、円買いが加速。

火曜日 ISM製造業が下振れてドル売り。日中から続く円買い機運と相まってドル円は145円前半へ。

火曜日 (日本時間では水曜日早朝)エヌビディアを含むチップメーカーが、独占禁止法に違反した疑いで司法省から召喚状を受け取ったと報じられる。エヌビディア株が大幅安に。

水曜日 JOLTS求人件数が下振れて景気後退を示唆。日中は145円を割るたびに買い支えられていたドル円は一気に144円ちょうど付近へ。その後も円買い優勢の流れが続き144円を割って引ける。

水曜日 アトランタ連銀のボスティック総裁が「インフレ率は著しく低下したが、物価安定の責務を果たす上でのリスクはまだ残っている。拙速な緩和は場合によっては危険な一手になることを歴史が示している」と、ややタカ発言。

水曜日 サンフランシスコ連銀のデイリー総裁が「利下げの時が来た。利下げ幅については、雇用統計などのデータを待ちたい」として、利下げ開始を支持。

木曜日 日本の毎月勤労統計が発表され、実質賃金が前年同月比でプラス0.4%と2カ月連続でプラスとなった。この日はゴトー日で実需のドル買いが強かったこともあり、市場の反応は限定的。

金曜日 雇用統計非農業部門雇用者数は市場予想を下振れ。また、前月と前々月発表分に下方修正が入った。一方、失業率は下がった。ドル円は乱高下。

金曜日 NY連銀のウィリアムズ総裁が「(雇用統計の結果を受け)利下げが適切になった。インフレ圧力が緩和していることに自信が持てる」と発言。

金曜日 ウォラーFRB理事が「インフレ鎮静化は軌道に乗った。今月、利下げを開始すべき。リセッションに向かっているとは思わないが、今後のデータが25bpsより大きな利下げの必要性を示唆するなら自分は支持する」と発言。

今週の相場は、

【9月も株売り・円買い相場!?】

でした!

あわてんぼうの
カエルさん
あわてんぼうの カエルさん

株価がまた不穏な感じ……。

エヌビディアが独占禁止法違反の疑いだとか。

それから、雇用統計は強かったわけじゃないけど市場が警戒していたほど弱くもなかったってことなのかな。

それに、ウォラーさんの発言を受けて、9月会合でいきなり50bps利下げはなさそうっていう雰囲気になってる。

米国株が下がって、日経平均の先物も一緒に落ちちゃった。

金曜日の東京時間に日経平均株価が3万6300円台で引けたけど、雇用統計を受けて日経先物は3万5100円台でNYクローズを迎えたよね。

週前半については石破さんの発言もけっこう影響が大きかったのかなぁ?

かしこそうな
シカさん
かしこそうな シカさん

どうかなぁ。石破さんは名の知れた首相候補のひとりだけど、海外勢にどれほど意識されているかは微妙なところ。

日経平均は翌火曜日に陰線を付けてるけど、この日は東京時間に植田総裁の利上げ継続発言もあったよね。

ちなみに石破さんは金曜日に「(7月の)利上げが適切だったか否かは現時点ではまだ不透明」と若干ハト発言もしているよ。

市場の反応を受けてバランスを取ろうとしたようにも見える。

あわてんぼうの
カエルさん
あわてんぼうの カエルさん

そっか。そういえば今週は植田総裁の発言もあったね。

でも、植田さんの発言って内容としてはこれまでと同じじゃなかった?

別に目新しいことは口にしてないのに、けっこう一方的な円買いでドル円は146円を割りに行ったね。

植田総裁は経済財政諮問会議で「経済物価見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げ、緩和の度合いを調整する」と発言。

たしかに、これまで発信されてきた方針と何ら変わりはないですね。

この時の相場の流れを考えてみますと、前週金曜日にドル円は急激に上昇しており、この日の夜にはNY市場の連休明けを控えていました。

調整したい思惑と発言のタイミングが重なったということも値動きを生んだ背景にあるかもしれませんね。

アメリカの政策金利 織り込み定点観測

 CMEのFedWatchツールで、利下げ織り込み度を確認します。

 先週末(下の画像1枚目)と今週末(画像3枚目)のFedWatchを比較すると、9月会合での利下げ織り込みは変化していません。70%の市場参加者が25bpsの利下げを見込んでいます。ただ、今週の半ばにはISM製造業やJOLTS求人件数の下振れを受け、50bpsの利下げ織り込みが進む場面もありました。そして、雇用統計や要人発言を消化した今週末のFedWatchでは11月会合での50bps利下げを見込んでいる市場参加者が増えていることが分かります。また、さらにその先の12月会合でも50bpsの利下げが見込まれているようです。

見慣れないと分かりづらいかもしれませんが、これは「いつのFOMC会合で(縦軸)、政策金利がどの水準になるか(横軸)」について、市場がどの程度織り込んでいるか(何%の市場参加者がそう考えているか)を示す表です。

次週に向けて

 大きな指標を通過して為替相場は乱高下、株価は急落しました。市場が材料を消化しきったとはいえず、週明けの相場は今週の余波で荒れることを想定しておきたいですね。

 今月17・18日にFOMCを控えるなか、FRBの理事はブラックアウト期間(政策に関する発言を控える期間)に入りました。最後のメッセージを伝える形になったウォラー理事は50bps利下げにも含みを持たせましたが、9月会合については基本的には25bps利下げに留まることを示唆しています。来週は、ブラックアウト期間にFRBからのメッセージを伝えるBloombergのニック・ティミラオス記者(@NickTimiraos)の発信内容に注目が集まります。

 さて、来週も注目度の高いイベントが多数、予定されています。その筆頭が11日水曜日の米消費者物価指数(CPI)12日木曜日の生産者物価指数(PPI)です。12日木曜日にはECBの政策金利発表とラガルド総裁の会見もあります。特にユーロやポンドの相場に大きく影響するでしょう。

 それから、日米ともに政治的なイベントも見逃せません。10日火曜日にはアメリカ大統領選の候補者討論会があり、トランプ前大統領とハリス副大統領の直接対決が展開されます。当然、経済に関する発言も少なからず飛び出すでしょう。一方、日本でも自民党総裁選が12日木曜日に告示を迎えます。27日金曜日の投開票日まで、いつ誰からどんな発言が出るか分かりません。また、海外の投資家がどのくらい反応するかは海外市場がオープンしてからでなければ分からないことも多いため、油断せずニュースを追いたいところです。