【復習】2024-11-25⇒2024-11-29【相場材料とチャート】
この記事はで読むことができます。
今週の高値はベッセント氏の発言でドルが買われた月曜日の154円70銭台で、これは前週の高値と比べて1円20銭ほど下でした。
今週の安値は植田総裁のインタビュー記事が公開された金曜日深夜に付けた149円40銭台で、これは前週の安値と比べて2円80銭ほど上でした。
今週の高値と安値を比べると、その差は約5円30銭でした。
前週から高値切り下げ・安値切り下げとなったドル円相場を中心に、今週の相場材料を
復習します。
東京時間 TOKYO Session
・トランプ新政権の財務長官について、スコット・ベッセント氏の起用が報じられた。ソロス・ファンド・マネジメントで最高投資責任者(CIO)を務めた経歴を持つベッセント氏は、1992年の英ポンド危機でソロス氏が仕掛けた金融史上有名なポンド売りにも携わった。トランプ新政権ではサプライズ的な人事も少なくないだけに、長年の投資経験を持つベッセント氏の起用は市場に安心感を与え、米債や米株が買われた。
・ベッセント氏の「ドルの地位維持に注力する」という発言が報じられると、午前中に売られた米ドルに買い戻しの動きが出た。
東京時間 TOKYO Session
・トランプ次期大統領が「カナダとメキシコは非常に大きな代償を払うことになる」と語り、それぞれ25%の関税を課す考えを示した。中国に関しても「10%の追加関税を課す」と発言。これを受けてカナダドル・メキシコペソ・豪ドルが売られた。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・米消費者信頼感指数は市場予想をわずかに下回ったが、2023年7月以来の水準に上昇。
・イスラエルとレバノンの停戦合意が報じられ、株が買われた。
東京時間 TOKYO Session
・豪CPIは前年比では横ばい(+2.1%)で市場予想(+2.3%)を下回ったものの、コアCPIの伸びが加速。
・NZ中銀は同国シャドーボードの見解どおり政策金利を50bps引き下げた。市場では一部で75bpsの大幅利下げ期待もあったため、発表後はNZドルの買い戻しが強まる場面も。
ロンドン時間 LONDON Session
・ECBのシュナーベル専務理事が「金融緩和は段階的におこなうべき。さらなる利下げには慎重になる必要がある」とタカ発言。ユーロが買われた。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・7-9月期GDP改定値は速報値と変わらず。個人消費の改定値は3.7%から3.5%に下方修正。
・米10月耐久財受注は市場予想を下回った。
・米新規失業保険申請件数は市場予想を下回った。一方で、継続受給者数については190万人台と約3年ぶりの高水準となっており、失業者が再就職に苦労していることが示された。
・米PCEデフレータは市場予想どおり(前年比+2.3%)で、前回(+2.1%)から伸びが加速。米ドルは一時的に買われたが、ポジション整理の流れが続きドル円は150円半ばまで下落。
東京時間 TOKYO Session
・一部報道で「ウクライナの首都キーウで爆発音がした」と伝えられ、円や米ドルの買いが強まる場面も。
・ラガルドECB総裁がトランプ次期大統領の政策に関して「敵対的な貿易戦争は世界の経済成長を損なうリスクがある。EUは報復ではなく交渉すべき」と発言。
ロンドン時間 LONDON Session
・ブロックRBA総裁が「コアインフレが目標を上回っており、当面は利下げしない。インフレ抑制に自身を持てるまで、政策は引き締め姿勢を維持する必要がある」とタカ発言。豪ドルがやや買われた。
東京時間 TOKYO Session
・東京CPIが市場予想を上振れ。電気ガスの補助金が終了したため前回(+1.8%)からの上昇(+2.2%)が予想されていたためドル円は発表前から下落していたが、結果(+2.6%)がさらに強かったため一気に150円を割り込んだ。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・日経新聞が植田日銀総裁のインタビュー記事を掲載。植田総裁は追加利上げの時期について「データが想定通りに推移しているという意味では近づいているといえる」と語ったという。これを受け、海外市場では12月日銀会合での利上げ織り込みが前進して円が買われた。
今週の相場をまとめると
【ドル買いの手仕舞い時期に円買い材料が重なってドル円急落】
でした!
CMEのFedWatchツールで、利下げ織り込み度を確認します。
11月上旬末(下の画像1枚目)、先週末(画像2枚目)、そして今週末(画像3枚目)の FedWatch を比較します。今月ここまでの動きをまとめると、パウエル議長のタカ発言や強い米指標を受けて12月FOMCでの金利据え置き観測が一時的に高まったものの、再び25bps利下げがコンセンサスとなりつつある状況です。
見慣れないと分かりづらいかもしれませんが、これは「いつのFOMC会合で(縦軸)、政策金利がどの水準になるか(横軸)」について、市場がどの程度織り込んでいるか(何%の市場参加者がそう考えているか)を示す表です。