【予習】2024-04-15⇒2024-04-19【相場材料とチャート】
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前週の値動きと材料の確認はこちらの記事で。
今週はアメリカの消費者物価指数(CPI)の強い結果を受けて、ドル円が152円の防衛ラインを突破し153円30銭台の高値を付けました。じつに34年ぶりの円安水準です。財務省・金融庁・日銀の3者会合は3月末にすでにおこなわれており、レートチェックや実弾介入がいつあってもおかしくありません。一方、金曜日には「早ければ24時間以内にもイランがイスラエルを攻撃する」との報道がなされ、中東情勢の緊張感はいっそう高まっています。また、次週はアメリカの小売売上高や鉱工業生産が控えているほか、イギリスの指標も重要なものが複数予定されおり、気が抜けない週になりそうです。
それでは、来週の相場材料を確認しましょう。
Monday 15日 月曜日 《~20日まで、IMF世界銀行春季会合》
08:50 日本 機械受注
18:00 欧州 鉱工業生産指数
21:30 米国 ニューヨーク連銀製造業景気指数
21:30 米国 小売売上高 💡前回は総合値が予想下振れ、前々回結果にも下方修正
Tuesday 16日 火曜日 《~18日まで、国際スワップデリバティブ協会の年次総会》
11:00 中国 小売売上高
11:00 中国 鉱工業生産指数
11:00 中国 実質GDP 💡ゴールドマンが前期比年率7.5%増と予測
15:00 英国 雇用統計
18:00 ドイツ ZEW景況感指数
18:00 欧州 ZEW景況感指数
18:00 欧州 貿易収支
21:30 カナダ 消費者物価指数(CPI)
21:30 米国 住宅着工件数
22:15 米国 鉱工業生産指数 💡前回は予想上振れでドル買い
Wednesday 17日 水曜日 《~18日まで、G20財務省中央銀行総裁会議》
07:45 ニュージーランド 消費者物価指数(CPI)
08:45 日本 通関ベース貿易収支
15:00 英国 消費者物価指数(CPI)
15:00 英国 小売物価指数(RPI)
15:00 英国 生産者物価指数(PPI)
23:30 米国 週間石油在庫統計
Thursday 18日 木曜日
10:30 オーストラリア 雇用統計
10:30 日本 日銀の野口審議委員 発言予定
21:30 米国 新規失業保険申請件数
21:30 米国 フィラデルフィア連銀景況指数
23:00 米国 中古住宅販売件数
Friday 5日 金曜日
08:30 日本 消費者物価指数(CPI)
15:00 英国 小売売上高
30:00 日本 植田総裁 発言予定
来週以降の値動きを考えるうえでの注目ポイントを確認しましょう。
アメリカ
・今週は米CPIがまたしても予想を上振れて、インフレの高止まりが懸念されています。また、PPIは予想を下振れたものの、中東情勢の緊迫化にともなうリスクオフムードもあってドル買い基調で週を終えました。
・来週、まずは月曜日の小売売上高に注目。アメリカのGDPの7割を占める個人消費の動向を示す指標です。個人消費に大きな影響を与える雇用については、先週発表された雇用統計が市場予想を上回る堅調さを示しています。(雇用統計についてはこちらの記事で触れています⇒【復習】2024-04-01⇒2024-04-05)
・現在、CMEのFedWatchツールでは利下げ織り込みが後退しています。6月会合での利下げ織り込み率について、先週末は50.8%とギリギリ過半数でしたが、今週末はとうとう26.9%に低下。6月会合では据え置きとみる人が市場参加者の7割を超えました。
見慣れないと分かりづらいかもしれませんが、これは「いつの会合で(縦軸)、政策金利がどの水準になっているか(横軸)」について、市場がどの程度織り込んでいるか(何%の市場参加者がそう考えているか)を示す表です。
上が雇用統計を通過した週末(4月7日土曜日)、真ん中がCPI明け(4月11日木曜日)下がPPIを消化した本日(4月13日土曜日)。
日本
・鈴木財務相が「G20でドル高について議論がある可能性」に言及しており、一部ではG20通過後に為替介入の観測も。
・日本の注目指標は19日金曜日に発表される消費者物価指数(CPI)。前回はコアCPIが4ヵ月ぶりの高水準となっています。
・植田総裁は日本時間20日土曜日の朝6時に、ピーターソン国際経済研究所にて「最近の日銀の金融政策枠組みの変化について」というテーマで発言予定です。
中国
・16日火曜日に発表予定の実質GDPについて、ゴールドマンはこれまで5.6%増としていた予測値を、最新のデータでは7.5%増になる見込みと上方修正しています(参照:Bloomberg)。これにともなって、2024年の年間GDP成長率も4.8%から5%に上方修正。5%というのは中国が今年の成長目標としている数字でもあります。
・習近平国家主席は16日火曜日、ドイルのショルツ首相と会談を予定しています。
ドル円の日足です。水曜日の米CPIの強い結果を受け、2022年から日本の通貨当局が防衛してきた152円を突破。一気に153円まで吹き上がりました。その後、PPIが市場予想を下ぶれたり中東情勢の緊迫化が報じられたりして、一時的に152円台後半に落ちることはありましたが、下がったところではしっかり買われています。結局、今週は5日連続で陽線となりました。
一目均衡表では三役好転が継続中です。
フィボナッチ・リトレースメントでは161.80%のラインである153円60銭付近が次の目標水準ですが、今週の高値が153円38銭なのであと10銭ほどしか距離がありません。261.80%のラインは158円付近。
もちろん、日本当局としてはその手前の155円のキリ番は強く意識させたい水準でしょう。しかし、2023年末の安値から引ける平行チャネルを見てみると、やはり155円以上も十分にターゲットになり得ます。
利確でも損切りでも最後の瞬間までしっかり考えて、自分の脳力を諦めずに前進あるのみ。考える!欲張らない!できる!