【復習】2024-10-14⇒2024-10-18【相場材料とチャート】
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今週の高値は米小売売上高が発表されたあとに付けた150円30銭台で、これは前週の高値と比べて70銭ほど上でした。
今週の安値は火曜日のロンドン時間に付けた148円80銭台で、これは前週の安値と比べて1円50銭ほど上でした。
今週の高値と安値を比べると、その差は約1円50銭でした。
日々の相場の流れを振り返り、今週の相場材料を復習します。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・16日に開示される予定だったASMLの決算が「技術的エラー」で閲覧可能な状態に。内容は業績予想に下方修正が入っており、株価が急落した。半導体関連株も連れ安に。
東京時間 TOKYO Session
・日銀の審議委員のなかでは比較的ハト派と目されている安達委員が「金融政策が正常化プロセスに入る条件は既に満たしている」と発言。一時的に円買いが強まる場面も。
・安達委員が午後の会見で「円安加速による物価上昇圧力、やや低下」といった発言があり、今度は円売りに。
ロンドン時間 LONDON Session
・英消費者物価指数(CPI)が前年比 +1.7% と、前回の +2.2% から大幅に低下。追加利下げ観測の高まりから、ポンドが売られ英株が買われた。
東京時間 TOKYO Session
・豪雇用統計は強い結果。就業者数が上振れ、失業率は下振れた。豪ドルは再び100円台乗せ。
・中国の住宅省(住宅都市農村建築省)が不動産政策に関して会見をおこなった。財政相や人民銀行の担当者も出席し、「100万村落都市化プロジェクトの追加」や「ホワイトリストを拡大し、銀行融資を4兆元にする」といった方針を示した。
・TSMCの決算は上振れ。ASMLショックで売られた半導体関連株にやや安心感。
ロンドン時間 LONDON Session
・ECB理事会は市場予想どおり 25bps の利下げを実施。声明は「ディスインフレのプロセスが順調に進んでいる」「インフレは来年中に目標の 2% に低下する」などと、前回よりもハト派色が濃くなった。
・ラガルドECB総裁の会見では、今回の利下げが全会一致の決定だったことが明かされたほか、追加利上げの期待も高まる内容。ユーロ売りが強まった。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・米小売売上高は総合とコアがともに予想を上振れ。また、同時刻に発表されたフィラデルフィア連銀製造業指、新規失業披見申請件数もそろって米国経済の底堅さを示す内容で、S&P500やNYダウといった株価指数は史上最高値を更新。ドル円は8月1日以来となる150円台乗せ。
東京時間 TOKYO Session
・日本の全国CPIは市場予想並み。前年同月比の結果は +2.5 %。前回結果(前年比 +3.0 %)からは大きく下がった格好に。発表後のドル円は円買いの反応も見られたが、これは1ドル150円という8月以来の高値圏であったことで一定の利食いが入ったことや輸出企業の売りが出たためとみられる。
ロンドン時間 LONDON Session
・英小売売上高が市場予想を上振れ。ポンド買いが強まったことで、ドル買いが一服。
・日銀関係者の話として「経済・物価はオントラック。今後の利上げ排除せず」とのヘッドラインが流れたことで一時円買いが強まった。その後「今月の会合での利上げ必要性は乏しい」とのコメントも伝わり、ドル円は短時間で買い戻された。
今週の相場をまとめると
【10月の材料が消化されてきた感じ】
でした!
基本的にはドル買いの1週間だったね。
米小売売上高が上振れた一方で、日銀は利上げを急がない姿勢をみせている。
また、ユーロ圏ではECB理事会の文言がハト派っぽかったり、ドイツが今年はマイナス成長になる見通しだったりして、ユーロが売られた。
さらに、国慶節を前に景気刺激策を発表して市場の期待が膨らんだ中国については、連休後の会見で過剰な期待が剥落して中国株やオセアニア通貨は一転して売られているよ。
アメリカ経済の底堅さと他国の先行き不透明感のギャップでドルが買われた感じだね。
CMEのFedWatchツールで、利下げ織り込み度を確認します。
先月末(下の画像1枚目)と先週末(画像2枚目)、そして今週末(画像3枚目)の FedWatch を比較します。先月末時点では、11月会合と12月会合でそれぞれ 50bps ずつの利下げもあり得るとみられていました。しかし、今月頭に発表された強い雇用統計を受けて利下げ織り込みは一気に後退。据え置き派も 10% を超えました。さらに今週は小売売上高も上振れていますが、さまざまな材料が時間をかけて消化されてきて、結局は各会合 25bps ずつの利下げというFRBの見通しどおりの妥当な結論に収束しつつあるようです。
見慣れないと分かりづらいかもしれませんが、これは「いつのFOMC会合で(縦軸)、政策金利がどの水準になるか(横軸)」について、市場がどの程度織り込んでいるか(何%の市場参加者がそう考えているか)を示す表です。
日本は次の週末には衆議院総選挙ですね。そこからは息つく暇もなく日銀会合、米大統領選、FOMCと、大イベントが雪崩を打ってやってきます。
来週の相場材料ですが、まずはブラックアウト(FOMCまで金融政策についての発言を控える期間)前のFRB要人の発言を見逃さないようにしたいですね。とはいえ、市場のコンセンサスは 25bps 利下げでほぼ固まっており、多少の発言では一時的な値動きにしかつながらない可能性も。小さな値幅でのレンジ展開になるパターンを想定して、早めの利食いが無難。
来週はFRBに限らず要人発言が非常に多く予定されています。ECB理事会を終えたラガルド総裁ほかECB当局者が相次いで講演を予定しているほか、ブルームバーグ主催のフォーラムでベイリー英中銀総裁ら各国の中銀総裁が登壇予定。また、BRICS首脳会議もあります。