Weekend Pip&Tip|2025年8月 Vol.5|PCEデフレータ(8/25~8/29)

今週の為替相場をまるごと復習!
今週も、日ごとの相場まとめ「Daily Acorn – 日刊どんぐり」をお届けしてきました。
試運転中のシリーズですが、細かい相場材料はそちらをチェック📝
そしてこちらの記事では、1週間の相場をサクッと復習✨
その名も「Weekend Pip&Tip」です!(こちらもお試し版)
この記事はで読むことができます。


今週の高値:148円20銭付近(前週比 -60銭)
今週の安値:146円70銭付近(前週比 +10銭)
今週の値幅:1円50銭(前週 -70銭)
今月ここまで(8/4~8/8週、8/11~8/15週、8/18~22週)は、材料はありながらも雇用統計後の安値圏でのレンジが続いてきました。
今週もまた、PCEデフレータという注目指標がありながらレンジを抜けられず。週をとおして1.5円の値幅でのレンジ展開となり、トレードスタイルによってはストレスフルな1週間になったのではないでしょうか。
今週の週足は高値切り下げ・安値切り上げ、長い上ヒゲを付けながらも陽線での着地と、気迷い相場を象徴するような形に。
一方で8月の月足は、雇用統計での下落幅を回復できずに陰線となりました。ただし、7月と比べると高値切り上げ・安値切り上げとなっています。

・大きな値動きにつながった材料
・今後の相場にも影響しそうな材料
をダイジェスト版でピックアップ!
より細かい材料や、詳しいデータは月~土のランチタイムにお届けしている「Daily Acorn – 日刊どんぐり」で!
25日(月)|日足:陽線
■ ドル円は今月のレンジ下限付近から反発スタート
▸ 先週金曜日は、パウエル議長の発言で148円後半から146円半ばまで急落
▸ パウエル氏は「雇用の下振れリスク」に言及し、追加利下げを示唆(詳しくは→ 8/23の記事)
■ ビットコインが急落
▸ 報道によれば、大口保有者が資金をイーサリアムにシフトしたことが背景
▸ 東京時間序盤は買い戻しが入るも、午後からは再び上値が重くなった
26日(火)|日足 :下ヒゲ陰線
■ トランプ大統領がクックFRB理事を「即時解任」発言、再び急速なドル売りに
▸ ゴールド買い・株売り・暗号資産売りと、リスクオフ+ドル売りの展開
▸ クック理事は先週、住宅ローン不正疑惑をめぐってトランプ大統領から辞任を要求されていた(詳しくは → 8/21の記事)
▸ ただし、「即時解任」は法的に難しく、まだ正式な手続きは行われていない
■ クックFRB理事、解任・辞任を否定
▸ 「解任の正当な理由はなく、辞任もしない」「トランプ氏に解任権限はない」と発言
▸ ドル円は朝の下落を打ち消し、147.90付近へ上昇するも前日高値(147.94)に届かず
27日(水)|日足:上ヒゲ コマ足 陽線
■ 豪CPIが上振れて豪ドル買い、豪ドルは一時96円台を回復
豪7月消費者物価指数(クリックで詳細を表示)
▸CPI総合:2.8%(予想 2.3%、前回 1.9%)
▸トリム平均:2.7%(予想 2.3%、前回 2.1%)
■ ユール売り・ドル買いが強まる、フランス政局不安が一因
▸ 仏現政権は9月8日の内閣不信任投票で政権崩壊との見方
■ エヌビディア決算は予想を上回るも、発表後の株価は利食いで下落
21日(木)|日足:下ヒゲ陰線
■ 米失業保険申請件数と米GDPは米経済の底堅さを示した
8/17~23週 米新規失業保険申請件数(詳細を表示)
▸失業保険申請件数:22.9万件(予想 23.1万件、前回 23.5万件 → 23.4万件に下方修正)
▸継続受給者数:195.4万件(予想 197万人、前回 197.2万人 → 196.1万人に下方修正)
米Q2実質GDP 改定値(詳細を表示)
▸実質GDP:3.3%(予想 3.0%、前回 3.0%)
▸個人消費:1.6%(予想 1.4%、前回 1.4%)
▸GDPデフレータ:2.0%(予想 2.0%、前回 2.0%)
▸コアPCE価格指数:2.5%(予想 2.5%、前回 2.5%)
※いずれも前期比年率
■ 底堅い米指標で一時ドル買いに傾くも、金利低下で再びドル売りに
▸ 今週の安値を更新し、146.60円台を付けた
22日(金)|日足:陰線
■ PCEデフレータは予想並みも、インフレ期待低下でドル売り再開
7月PCEデフレータ、7月個人所得・支出(詳細を表示)
▸PCEデフレータ(前月比):0.2%(予想 0.2%、前回 0.3%)
▸PCEデフレータ(前年比):2.6%(予想 2.6%、前回 2.6%)
▸コアPCEデフレータ(前月比):0.3%(予想 0.3%、前回 0.3%)
▸コアPCEデフレータ(前年比):2.9%(予想 2.9%、前回 2.8%)
▸関税の影響が大きい「玩具」項目などが「財」部門の伸びを押し下げた
▸一方、「金融手数料」項目の4.4%などが「サービス」部門の強い伸びにつながった
▸個人所得(前月比):0.4%(予想 0.4%、前回 0.3%)
▸個人支出(前月比):0.5%(予想 0.5%、前回 0.3% → 0.4%に上方修正)
▸個人消費の伸びをけん引したのは3ヵ月ぶりにプラスの「自動車・部品」や「食品」など
▸夏休み効果で「YOLO消費」が5か月ぶりにプラスに(補足:YOLO = You Only Live Once / コンサートや球場、映画、美術館などの入場料)
8月ミシガン大消費者信頼感指数・確報値(詳細を表示)
▸消費者信頼感指数:58.2(予想 58.6、前回 58.6)
▸1年先インフレ期待:4.8%(予想 4.9%、前回 4.9%)
▸5-10年先インフレ期待:3.5%(予想 3.9%、前回 3.9%)
■ ドル全面安となりドル円は当日安値を更新、その後は小動きに
▸ 週足は高値切り下げ・安値切り上げの上ヒゲ陽線
▸ 月足は高値切り上げ・安値切り上げの陰線で引け
CMEのFedWatchツールによれば、今週、利下げ織り込みはやや前進しました。
以下の画像は上から順に、2週間前、1週間前、そして今週末(画像3枚目)のFedWatchです。
8月1日発表の雇用統計が「予想下振れ + 過去分も大幅下方修正」というショッキングな内容だったため、早期利下げ期待が高まって一気に年内3回の利下げを織り込みました。その後は、インフレ指標やFRB要人の利下げに慎重な発言を受け、利下げ織り込みは若干後退。その結果、9月利下げが75%、追加利下げは12月が優勢に。しかし、ジャクソンホール会議でのパウエル議長の発言が利下げ織り込みに反映された今週、再び9月利下げが86%、追加利下げは10月が優勢となっています。

この表は、「いつのFOMCで」「どの政策金利水準が」「どれくらいの確率で織り込まれているか」が分かるツール。
縦軸=会合のタイミング、横軸=金利水準を示します。




来週の注目指標は、雇用統計です。
8月1日の雇用統計は過去分に大きな下方修正が入ったことで、ドルと株がともに売られるショック相場となりました。
指標の信用性自体にも疑問符が付くまさかの「桁違い」修正だっただけに、今回は事前の警戒感がいつもより高まりそう。
指標発表時はもちろん、発表前のポジション調整の波にも警戒したいところ。
また、雇用統計が大きく修正されたことで、これまで「雇用統計とズレる」とされていたADP雇用統計の注目度が高まっていることにも注意。
本番の雇用統計より大きく動く展開も想定されます。
安全に9月のスタートを切りですね。
9月1日(月)
▸ 米・加休場(レイバー・デー)
2日(火)
10:30|日|氷見野副総裁 挨拶(14:30 会見
18:00|EU|ユーロ圏消費者物価指数(HICP)・速報値
22:45|米|製造業PMI
23:00|米|ISM製造業景気指数
3日(水)
10:30|豪|四半期GDP
18:00|EU|ユーロ圏サービス業PMI
23:00|米|JOLTS求人件数
23:00|米|製造業新規受注
23:00|米|耐久財受注・確報値
4日(木)
18:00|EU|ユーロ圏小売売上高
21:15|米|ADP民間部門雇用者数
21:30|米|貿易収支
21:30|米|新規失業保険申請件数
23:00|米|ISM非製造業景気指数
▸トランプ大統領がFRB理事に指名したミラン氏の公聴会
5日(金)
08:30|日|毎月勤労統計
18:00|EU|ユーロ圏GDP・確報値
21:30|米|雇用統計