【復習】2025-03-10⇒2025-03-14【相場材料とチャート】

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前週から高値切り下げ・安値切り下げ!【今週の相場材料とチャート】

今週の高値米国の鉄鋼・アルミ関税が発動した夜の149円20銭付近で、これは前週の高値と比べて2円10銭ほど下でした。

今週の安値トランプ大統領がリセッションの可能性を否定しなかったことでリスク回避ムードが強かった週前半の146円50銭台で、これは前週の安値と比べて40銭ほど下でした。

 

今週の高値と安値を比べると、その差は約2円70銭でした。

関税リスクで株価続落!【今週の相場材料を読む】

前週から高値切り下げ・安値切り下げとなったドル円相場を中心に、今週の相場材料を復習します。

9日(日)

・中国2月CPIは前年比 -0.7% で、2024年1月以来のマイナスだった。

・FOXニュースがトランプ大統領へのインタビューを放送。今年は景気後退を見込んでいるかとの質問に対して、トランプ大統領は「予想を語るのは好きじゃない」「一定の過渡期は生じるが、それは我々が成し遂げようとしているのが非常に大きな仕事だからこそだ。我々は米国に富を取り戻す」と返答。リセッションの可能性を否定しなかったことで米国の景気先行きに対する不安感が強まった。

10日(月) 日足:陰線

先週の雇用統計の下振れや週末のトランプ大統領のインタビュー、12日に発動が予定されている鉄鋼・アルミ関税といった複数の材料が週明けの株価の上値を重くした。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

・1月分の毎月勤労統計調査が発表された。12月はボーナス要因が大きかったぶん、1月は前月比で名目および実質の現金給与総額が大幅低下。一方、ボーナスを除いた「きまって支給する給与」については上昇に転じている。

11日(火) 日足:陽線

前日の株価下落を受けて午前中はリスクオフムードが続いたが、午後に入ってやや持ち直している。夜はトランプ大統領がカナダに対する関税を強化すると話したことで一時リスク回避の株売り・円買いが強まるも、数時間後には撤回されて巻き戻る乱高下が乗じている。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

・日本の10-12月期GDPの改定値は前年比 +2.2% と速報値から下方修正され、市場予想(+2.8%)を下回った。

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

トランプ大統領が「カナダに対する鉄鋼・アルミ関税を50%に引き上げる」と発言。

カナダ・オンタリオ州のフォード首相が、米国向け電力価格 25% 上乗せについて一時停止で合意したと発表。

ウクライナロシアとの30日間の暫定停戦案に同意。

・ホワイトハウスのナバロ大統領上級顧問が、対カナダの鉄鋼・アルミ関税の上乗せ見送ることを明らかにした。

鉄鋼・アルミ関税は、適用除外が比較的有力視されていたオーストラリアも含めて予定どおり12日に発動する方針が示された。

12日(水) 日足:陽線

日本時間午後1時に米国の鉄鋼・アルミ関税が発動し、いったん悪材料の出尽くし感。また、植田総裁が国債の買い入れに言及したことや当夜に米CPIの発表を控えていたことなどから、溜まっていた円買いポジションの解消で円売りが強まった。しかし、米CPIがインフレの落ち着きを示しても株は上値が重く、夜は再びリスクオフの円買いが強まった。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

春闘の集中回答日を迎えた。トヨタは満額回答、スズキは要求以上の賃上げ回答など、高水準の賃上げ回答が相次いだ。

オーストラリアのアルバニージー首相は、米国の鉄鋼・アルミ関税発動に対して報復せず、引き続き友好的に関税適用除外を求めていく考えを示した。

・日本時間午後1時に米国鉄鋼・アルミニウム関税発動した。

EUは米国による鉄鋼・アルミ関税発動後ただちに報復関税を発動。対象はバーボンやジーンズ、ハーレー・ダビッドソンなど。

植田総裁が参議院予算委員会に出席。経済・物価動向については「海外経済・物価動向をめぐる不確実性については、非常に心配している」「基調的な物価上昇率は、現時点でまだ2%を下回っている」と語った。また、長期金利の上昇については「急激に上昇するといった例外的な状況においては、機動的な買い入れオペレーションを実施する」「長期金利の水準について具体的なコメントは控えたい。市場において自由に形成されるのが基本。」と回答。

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

米2月CPIは市場予想を下回った。FRBの利下げ期待が高まって一時的に株が買われた。

・FEDウォッチャーとして知られるBloombergのニック・ティミラオス記者がCPIの下振れについて、「2月CPIは市場予想より低かった。これを受けてFRBが重視するPCEの上昇を予測する人もいるが、今回低かった項目のなかにはPCEの数値に影響を与えないものもある」と冷静な受け止め方を示した。

13日(木) 日足:陰線

植田総裁から前日よりタカ派な発言が出たことで円買いを誘った。米PPIは市場予想を下回る落ち着きをみせたものの項目によっては強い数字もあって利下げ期待は高まらず、株は下落。トランプ大統領が欧州産の酒類に追加関税を課すと発言したこともあって、S&P500種株価下指数は直近高値からの下落率が10%に達した。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

植田総裁が参院財政金融委員会に出席。経済・物価動向については「基調物価はちょっと2%を下回っているが、景気が緩やかに回復し続け2%に向け高まっていく」とコメント。また、前日の春闘の集中回答を受けて「今後は実質賃金・消費については良い姿が見込まれる」発言。全体的に前日よりもややタカ派なコメントで、市場は円買いで反応している。

 ロンドン時間 LONDON Session

中国人民銀行が「適切な時期に利下げを実施」「十分な流動性を維持していく」と、金融緩和政策をとっていく方針を示した。

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

米PPI市場予想を下回ったものの、前夜のCPIと同じくPCEデフレータに反映される項目は強めの数字で利下げ期待は高まらず。

米新規失業保険申請件数は市場予想を下回って労働市場の堅調さを示した。

トンランプ大統領はEUによる報復関税発動を受けて、欧州産の酒類に200%の関税を課すと発言

14日(金) 日足:陽線

年度末が近づくなか、東京市場では本邦輸入企業によるものとみられるドル買い・円売りが観測された。夜には米国の経済指標が下振れたものの、前夜に調整局面入りの目安とされる下落率10%にいったん到達した米国S&P500種株価指数は短期間の売られすぎ状態から反発した。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

・中国が当日中にも預金準備率(RRR)を引き下げる可能性があるとの観測から、中国株が上昇し直近の高値圏で引けを迎えた。ただし、結局この日中には引き下げの発表はなかった。

春闘の第1回集計が公表された。平均賃上げ率 5.46% と、昨年の 5.28% は上回ったものの要求の 6.09% を下回り、賃上げ期待の円買いで下落していたドル円相場は反発。

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

・ミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を下回り、2022年11月以来の水準となった。

今週の相場をまとめると

【ドル安・ユーロ高継続も、先行き不安で神経質な動き】

でした!

年内利下げ3回を織り込み【定点観測!FF金利先物】

 CMEのFedWatchツールで、利下げ織り込み度を確認します。

 2月初め(画像1枚目)と先週(画像2枚目)、それから今週末(画像3枚)の FedWatch を比較します。2月はFEB要人のタカ発言や米CPIの上振れを受けて利下げ織り込みが後退しました。しかし、直近では雇用統計など複数の経済指標で景気減速が確認されて利下げ織り込みが前進しています。年内に3回の利下げがおこなわれるという見方が優勢になっており、来週19日のFOMCでは据え置きが 98% 織り込まれています。

見慣れないと分かりづらいかもしれませんが、これは「いつのFOMC会合で(縦軸)、政策金利がどの水準になるか(横軸)」について、市場がどの程度織り込んでいるか(何%の市場参加者がそう考えているか)を示す表です。