【復習】2024-04-29⇒2024-05-03【相場材料とチャート】
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ついに来たね!
公式発表はまだですが、今週、為替介入と思われるドル円の急落が観測されました。
それでなくともFOMCに雇用統計と、材料に困らない週になるはずたったけど、市場の話題は「介入」一色に。
たしか先週、日銀の植田総裁が「円安は大した問題じゃない」みたいなこと言ってなかったっけ……。
「基調的物価には大きな影響を与えていない」という発言だったね。
トレードの勝敗は置いといて、この相場を経験できたこと自体が収穫!
今週の【復習】には、為替介入の詳細なレポートも付いています!
経験を今後に活かすためにも、しっかり振り返ってまいりましょう。
今週の高値は月曜日の10時半過ぎに付けた160円20銭台。安値は雇用統計後に付けた151円80銭台でした。
Monday 29日月曜、東京市場が昭和の日で休場だったこの日の午後、2年ぶりの為替介入と思われるドル円の急落が観測されました。同時にクロス円通貨ペアは急落し、ドルストレート通貨ペアは急騰しています。
まず、ドル円は朝から一方的に上昇していました。円売りに安心感を与えた材料として挙げられるのは、やはり前週の日銀会合後の会見における植田総裁の発言。為替に関する質疑が相次ぐなか、総裁は「円安は基調的物価には大きな影響を与えていない」と、円安容認と受け取れる発言を複数回され
10時半に158円40銭台の先週の高値を抜くと、そこからわずか5分で160円20銭台まで急騰。
急騰後しばらくは高値圏での揉み合いが続きましたが、高値更新を目指して再び上昇し始めた午後、ついに実弾介入(と推測される急落が発生)。そのタイミングは、13時台の最初の5分足が陽線で確定した13時5分でした。1分足だけで159円60銭付近から158円20銭台まで下落。その後も値が戻るたびに頭を叩く執拗な下げが、きっかり1時間続きました。
14時6分頃、節目の155円が割れるまであとほんの数銭というラインまで下げたところで売りの波はいったん引き、15時台には157円まで戻しています。
しかし、16時台の最初の5分足が陽線で確定したあと、157円10銭台からまたしても介入(があったと推測されています)。今度は30分ほどかけて無事に155円を割り込み、一時154円50銭台まで下げています。
市場は完全に疑心暗鬼に駆られ、156円台に戻ろうとするものの少しの下げで連鎖的にパニック売りが出る展開が続き、なんとか156円に乗ったのは20時を回ってからのことでした。
この夜、主要な経済指標の発表はありませんでした。にもかかわらず、深夜1時40分過ぎから5~6分ほどかけて156円50銭台から155円10銭を切るところまで下落しています。16時台の安値は更新できていないのですが、戻りの少ない一方的な下げ方で短時間に1円半も円高に振れたことから、現時点ではこちらも介入による下落と考えられています。
ちみなみにSNSでは、「160円までの急騰がそもそも円売り介入だったのでは」という憶測も流れました。
介入期待のショート勢の損切りを根こそぎ刈り取っておいて、そこから……。
為替介入と呼ばれる財務省の『外国為替平衡操作』。
この『外国為替平衡操作』の実施状況は、その総額が1ヵ月ごとに公表されます。
また、実施のタイミングや金額といった詳細な情報は四半期ごとに公表されます。
ただし、介入の実施から決済まで2日間かかるため、月末の2営業日は翌月分の発表に含まれます。
つまり、4月29~30日に為替介入をしていたとしても、5月末までは正式には公表されないのです。
ただし、政府の『当座預金残高』を見れば資金の増減が分かるので、ある程度の金額は数日中に推計できるようになります。
29日月曜日の介入に使われたのは、現時点では5兆円規模と考えられています。
Tuesday 30日火曜日は月末のゴトー日で、ドル円は仲値にかけて実需のドル買いに支えられて156円の後半まで回復。しかし、それ以降は介入を警戒して157円を付けられない展開が続きました。
157円台を回復したのはアメリカの経済指標が発表された21時半。この日は米雇用コスト指数が上振れています。
Wednesday 5月1日水曜日も介入への警戒感が強く、また夜にFOMCが控えていることもあってドル円は上にも下にも動けない展開が続きました。ニューヨーク時間に付けた高値をわずかになんとか更新していますが、158円には1度も届いていません。
FOMCは市場予想どおり政策金利据え置きでしたが、この夜はドルが大きく売られています。ドル売りの主因はパウエルFRB議長の発言とされています。
次の金利の動きが引き上げとなる可能性は低い。
今回はFOMCを前に株売り・ドル買いが出ていましたが、これは最近のインフレ指標の上振れを受けて利上げの可能性がささやかれ始めていたことが一因。そこへパウエル議長からハト派と受け取れる発言が出たため、米株は一時急騰しドルは売られました。
とは言っても、この時の安値は157円ちょうど付近。明け方4時ごろには157円30~40銭の水準で小動きになっています。
ところが、ニューヨークのディーラーも帰り支度に入っていたであろう5時9分頃、再び為替介入とみられる急落が発生。5時49分頃まで断続的な売りが続き、153円ちょうど付近の安値を付けたところで下げは一服。154円半ばまで反発して引けています。
Thursday 2日木曜日は、東京市場が翌日から4連休に入ることもあって実需のドル買いやショートポジションの利確などが出たとみられ、ドル円は仲値後までは調子よく上昇して156円台を回復しています。
しかし、156円台では上値が重くなり10時50分台には売りの勢いが強まっています。そこから結局1日中下げ続ける展開となり、この日は3円以上の下落幅に。153円は割れなかったものの、朝の5時頃まで下げ続けました。この日の下落について、一部ではステルス介入ではないかといわれています。
なお、夕方に発表された『当座預金予想』から推計すると、FOMC後の介入は約3.66兆円規模だったようです。
Friday 3日金曜日は東京市場は憲法記念日で休場でした。また、夜に雇用統計を控えていることもあって日中は小動き。
雇用統計は、注目度の高い項目である非農業部門雇用者数が前回31.5万人、予想24.3万人のところ、結果が17.5万人と下振れ。また、失業率は前回の3.8%から3.9%に上昇し、平均時給は前回の0.3%から0.2%に下落しています。各項目がそろって鈍化傾向を示したことで、市場はドル売りで反応。一時152円を割り込み、激動の1週間の最安値となった151円80銭台を付けています。
次週の注目材料とチャートの分析はこちらの記事で。最後までお読みいただき、ありがとうございました!