【復習】2025-02-03⇒2025-02-07【相場材料とチャート】
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今週の高値は米国の関税発動を警戒してドル買いが強まった月曜日の155円90銭付近で、前週の高値と比べて40銭ほど下でした。
今週の安値は米雇用統計の下振れとトランプ大統領の関税を巡る発言を受けて円買いが強まった金曜夜の150円90銭台で、これは前週の安値と比べて2円80銭ほど下した。
今週の高値と安値を比べると、その差は約5円でした。

前週から高値切り下げ・安値切り下げとなったドル円相場を中心に、今週の相場材料を復習します。
東京時間 TOKYO Session
・アメリカ時間で2月4日0時(日本時間4日14時)から米国がメキシコとカナダに対して25%の関税、中国に対して10%の関税を発動する方針を示した。週明けの各通貨ペアはドル買い・円買い方向に大きく窓を開けてスタート。ドル円は円買い方向に窓を開けたが、その後はドル買いが優勢に。
・トランプ大統領は先週のFOMCについて「(政策金利の据え置きは)正しい決定だった」と評価した。
・カナダは同日4日から米国製品に報復関税を課す方針を芳名。
・メキシコは報復関税を課す方針を表明。
・中国はWTOに提訴する方針を示すにとどまっており、比較的穏やかな対応。
・一部では、中国は米国との交渉の準備を進めているとの報道も出ており、これがアジア株やオセアニア通貨の下落の勢いに歯止めをかけたとみられる。なお、この日は香港市場はオープンしていたが、中国本土はまだ春節で休場中。
ロンドン時間 LONDON Session
・トランプ大統領がEU圏に対しても遠からず関税を課す方針を示したことを受けて、週明けの欧州・ロンドン市場はリスク回避の動きからスタート。円買いが強まった。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・トランプ大統領とメキシコのシェインバウム大統領が電話会談をおこなった。メキシコは、自国から米国への不法移民や違法薬物の流出を防ぐべく、米国との国境に軍を1万人配備する方針を示した。
・トランプ大統領とカナダのトルドー首相が電話会談をおこなった。
・米国はメキシコ・カナダに対する25%関税発動を30日延期すると発表。
東京時間 TOKYO Session
・米国は、中国に対する10%追加関税を予定どおり日本時間14時に発動。
・一部報道によれば、中国は2月10日から米国に最大15%の追加関税を課す方針。また、グーグルに対して独占禁止法違反の疑いで調査を開始するという。貿易戦争に対する警戒感が高まりドル買い・円買いが強まった。
・日銀の植田総裁が「現在はインフレの状態にある」と発言。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・米12月JOLTS求人件数は、予想801万件に対して結果760万件と市場予想から大幅に下振れ。FRBの利下げ期待が高まって、株買い・ドル売りが優勢に。
東京時間 TOKYO Session
・トランプ大統領は、中国が米国に対して関税を課す方針を示していることについて「問題ない」とコメント。
・日本の実質賃金は市場予想から上振れた。実質賃金は3年連続マイナス成長となっている。
・赤沢経済再生相が「インフレ状態にある」と発言し、前日の植田総裁の発言を肯定した形に。翌6日には日銀メンバーのなかでもっともタカ派とされる田村委員の発言予定があることも警戒感につながったとみられ、円買いが強まった。
・15時ごろにインド中銀がドル売り介入をおこなって一時的にドル売りが加速する場面も。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・米1月ADP民間部門雇用者数は市場予想を上回った。
・米1月ISM非製造業は市場予想を下回った。日中から続いた円買いムードもあって、ドル円は152円前半まで下落。
東京時間 TOKYO Session
・日銀メンバーで最タカ派とされる田村審議委員が金融経済懇談会に出席。挨拶の中で、政策金利について25年度後半には「少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げておくことが、物価上振れリスクを抑え、物価目標達成のうえで必要」と述べた。
・ベッセント米財務長官と植田日銀総裁が電話会談をおこなった。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・米新規失業保険申請件数は市場予想を上回って増加。継続受給者数も増加した。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・米雇用統計は、非農業部門雇用者数が予想 17 万人に対し結果 14.3 万人と下振れ。ただし、失業率は予想 4.1% に対して結果 4.0%、平均時給は予想 3.8% に対して結果 4.1% と強かった。
・トランプ大統領が「早ければ今日中にも相互関税について発表する」と発言したと報じられ、株売り・円買いが強まった。

今週の相場をまとめると
【トランプ関税本格始動でリスクオフ&日銀タカ化で円買い】
でした!
CMEのFedWatchツールで、利下げ織り込み度を確認します。
先週末(画像1枚目)と今週末(画像2枚目)の FedWatch を比較します。先週時点では次回の利下げは6月FOMCでおこなわれるという見方が優勢でした。今週は中国に対するトランプ関税が発動し、他の国に対しても関税発動が見込まれる状況を受けて利下げ織り込みが後退。6月は据え置きが優勢となっています。

見慣れないと分かりづらいかもしれませんが、これは「いつのFOMC会合で(縦軸)、政策金利がどの水準になるか(横軸)」について、市場がどの程度織り込んでいるか(何%の市場参加者がそう考えているか)を示す表です。

