【復習】2024-12-16⇒2024-12-20【相場材料とチャート】
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今週の高値は日銀会合翌朝の東京オープン時間に付けた157円90銭台で、これは前週の高値と比べて6円70銭ほど上でした。
今週の安値は月曜日の東京オープン時間に付けた153円10銭台で、これは前週の安値と比べて4円50銭ほど上でした。
今週の高値と安値を比べると、その差は約4円80銭でした。
前週から高値切り上げ・安値切り上げとなったドル円相場を中心に、今週の相場材料を復習します。
東京時間 TOKYO Session
・中国の主要指標が複数発表された。鉱工業生産は市場予想どおりだったが、小売売上高が予想外の低さで、市場は豪ドル売りで反応。
・JPモルガン・チェースの日本経済調査チームが、日銀が今週の会合で25bps利上げする可能性があると報告した。その根拠として、同チームは「追加利上げの条件に関する日銀の立場は一貫している。最近のデータはバランスを示しており、その条件を満たしているようだ」と述べている。
ロンドン時間 LONDON Session
・フランスPMIは製造業が予想から下振れたものの、サービス業が予想から上振れた。
・ドイツPMIは製造業が予想から下振れ。サービス業が市場予想から上振れて、好不況の分岐点である50も上回った。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・Bloombergのニック・ティミラオス記者が水曜日のFOMCに関して「25bpsの利下げを行い、今後の利下げについてはより緩やかに進めることを示唆するだろう」と発信。同氏は特にブラックアウト期間においてFRBのメッセンジャー役を務めており、彼の発言で市場が大きく動くこともある。
・米PMIは製造業が予想から下振れたものの、サービス業が予想から上振れた。
・カナダの財務相が辞任を表明。副首相を兼任するフリーランド財務相は、いわゆる「トランプ関税」への対応を巡ってトルドー首相と対立していた。
・トルドー首相が辞任を検討しているとの報道。一部では、本人に辞める気はないが閣僚が辞めさせるように動いているとの話も。
東京時間 TOKYO Session
・トランプ次期大統領が次の米駐日大使にジョージ・ダグラス氏を指名。ダグラス氏はトランプ前政権でポルトガル大使を務めた経歴を持つ実業家で、今回の大統領選でも大口の献金者としてトランプ氏を熱心に支えてきた人物。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・米小売売上高は市場予想を上振れたが、自動車を除くデータは下振れており強弱入り混じる結果。FOMCでの利下げを見込んでポジション整理が進んだ。
東京時間 TOKYO Session
・日産とホンダが経営統合を検討していることが伝わり、業界再編期待から自動車株が上昇。ただしFOMCや日銀を控えるなかで日本株全体では下落している。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・FOMCでは25bpsの利下げが決定された。また、2025年に見込む利下げ回数は従来の見通しから減少。月曜日にニック・ティミラオス記者が出したリーク記事どおりの方向性ではあったが、市場の織り込みよりもさらにタカ派的だったため米ドルは買われ、株が売られた。
・パウエル議長は会見で「追加調整を検討する上で慎重姿勢を強める可能性がある」と述べた。また、「インフレを巡るリスクと不確実性は高まっている」として利上げの可能性を完全には否定しなかった形。
東京時間 TOKYO Session
・日銀は市場予想どおり政策金利の据え置きを、賛成8・反対1で決定。据え置きに反対した田村審議委員は利上げを提案した。
・植田総裁が会見に臨んだ。質疑応答では金利据え置き理由について「賃金と物価の好循環の強まりを確認する上で、春闘などもう少し情報が必要と考えた。米国など海外経済の見通しも不透明」と述べるなど、1月利上げ観測を後退させるハト発言が相次いだためドル円は156円を突破。さらに欧州勢が加わって157円を目指す動きに。
ロンドン時間 LONDON Session
・英中銀(BOE)は市場予想どおり政策金利の据え置きを、賛成6・反対3で決定。前回は1人だった据え置き反対者(利上げ支持者)が3人に増えたことでポンドが買われた。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・米7-9月GDP確報値が上振れた。157円を挟んでもみ合っていたドル円には追い風となって、一気に157円後半へ。
東京時間 TOKYO Session
・前日に日銀のハト姿勢と堅調な米指標が重なったことで、朝は158円を目指す展開。
・加藤財務相が為替の動向について「一方的で急激な動き」「行き過ぎた動きには適切な対応を取る」と円安けん制発言をしたことで円買いに傾いた。ドル円は既に158円付近まで上昇して既に満足感があるなかで、年末に向けて手仕舞うタイミングを探っていた投機勢のポジション整理が進んだとみられる。
・中国は実質貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を市場予想どおり据え置いた。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・米11月PCEデフレータは市場予想から下振れた。
今週の相場をまとめると
【日銀の据え置きは織り込み済みも、想定外のハト会見で円売り】
でした!
CMEのFedWatchツールで、利下げ織り込み度を確認します。
先週末(下の画像1枚目)、FOMC翌朝(画像2枚目)、そして今週末(画像3枚目)の FedWatch を比較します。パウエル議長のタカ発言を受けて来年の利下げ織り込みは一気に後退。1月FOMCでは据え置きがほぼ確実視されています。
見慣れないと分かりづらいかもしれませんが、これは「いつのFOMC会合で(縦軸)、政策金利がどの水準になるか(横軸)」について、市場がどの程度織り込んでいるか(何%の市場参加者がそう考えているか)を示す表です。