【復習】2024-12-09⇒2024-12-13【相場材料とチャート】

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ざっくり振り返る 今週の相場材料とチャート

今週の高値日銀の利上げ観測が後退して付けた水曜日の153円80銭台51円20銭台で、これは前週の高値と比べて2円60銭ほど上でした。

今週の安値韓国の政情不安で円が買われた火曜日の149円70銭付近で、これは前週の安値と比べて3円ほど上でした。

 

今週の高値と安値を比べると、その差は約4円11銭でした。

しっかり振り返る 今週の相場の流れと材料

前週から高値切り上げ・安値切り上げとなったドル円相場を中心に、今週の相場材料

復習します。

9日(月) 日足:陽線

中国が2011年以来の金融政策スタンスの変更を発表。景気回復期待からリスクオンに傾いて、オセアニア通貨が買われて円が売られた。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

・日本の7-9月期GDP改定値は速報値から上方修正された。

・一部の通信社が「長期金利の低下や為替の安定を受けて日銀の追加利上げ期待が後退」と報じたことで円売りに傾いた。

・石破首相、「現時点でデフレ脱却には至っていない」と発言。

 ロンドン時間 LONDON Session

中国の共産党政治局は同国の金融政策について「適度に緩和的な金融政策を実施する」として、2011年以来の「穏健な金融政策」との文言から変更した。財政政策についても「より積極的な財政政策を行い、「不動産市場と株式市場を安定させる」方針。これを受けて豪ドルが買われ、円が売られた。

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

中国当局がエヌビディアの過去の買収に関して、独占禁止法違反の疑いで調査を開始。エヌビディア株が下落した。

10日(火) 日足:陽線

豪中銀は政策金利を市場予想どおり据え置いたが、声明文のタカ色が薄まったことで豪ドルが売られた。また、翌日に米CPIを控えるなかで警戒感から株が売られ、米ドルが買われた。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

中国の11月貿易収支は、輸出が前年比 +6.7%(前回 12.7%)、輸入が前年比 -3.9%(前回 -2.3%)といずれも鈍化傾向を示した。

韓国検察は先週の戒厳令発令に関して尹(ユン)大統領を内乱首謀者と判断。前日9日には、尹大統領に戒厳を進言したとされる前国防相の逮捕状が請求されており、尹大統領に対する本格捜査開始も時間の問題か。

豪中銀(RBA)は市場予想どおり政策金利を据え置いた一方、これまではタカ色の強かった声明文を軟化させた。具体的には「いかなる選択肢(利上げを含む)も排除しない」との文言を削除したほか、中国経済に対する懸念の文言も削除されている。

ブロックRBA総裁は会見のなかで声明文の文言を意図的に変更したことを認め、「インフレ抑制についてやや自信が深まった」とコメント。次回2月会合での利下げ可能性については言及を避けたが、「政策変更にあたっては、第2四半期のインフレデータの確認は必ずしも必要ではない」と話した。

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

・日本生命が米系の保険会社を買収すると報じられた。規模は1兆2000億円で、実現すれば日本の保険業界では過去最大のM&Aとなる。

11日(水) 日足:下影陽線

12月の日銀会合について、利上げ見送りの可能性が報じられて円が売られた。今週の目玉指標だった米CPIは市場予想どおりの結果で、市場は利下げを確実視している。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

・関係筋の話として、中国当局は2025年の人民元安容認を検討していると報じられた。トランプ関税をにらんでの方策だという。これを受けて豪ドルは対ドルで8月の安値を割り込み、年初来安値を更新した。

 ロンドン時間 LONDON Session

・一部報道で「現在の物価を考えると、利上げを待つコストはほとんどない」と、1月利上げを匂わせるヘッドラインが流れた。ただし、同時に「12月会合で利上げを提案された場合は反対しない審議委員が複数いる」とも報じられ、初動では円買いが強まりストップを巻き込んで乱高下した。

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

米CPIは市場予想どおりの結果で、利下げ織り込みが80%台から90%台後半まで前進した。

12日(木) 日足:下影陽線

スイス中銀会合とECB理事会を控えて日中は調整の動き。スイス中銀に予想外の大幅利下げを決定したことで、夜はスイスフラン売り・ドル買いが強まった。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

豪雇用統計新規雇用者数が上振れ、失業率が下振れ。ともに強い結果となったことで豪ドルが買われた。

・ロイターが「日銀、利上げ見送り論強まる」と報じたことで円売りが強まった。

・中国商務省が「中国はトランプ政権との経済・貿易に関する意思疎通に前向き」と発信。これによって中国人民元や豪ドルが買われ、米ドルが売られた

 ロンドン時間 LONDON Session

スイス中銀会合では市場予想(25bps)を超える50pbsの大幅利下げが決定された。ドル買い・スイス売りが強まった。

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

米PPIは食品価格の上昇が影響して市場予想から上振れ

米新規失業保険申請件数が市場予想から大幅に上振れ。同時に発表されたPPIが強かったにも関わらず、市場は労働市場の変化により敏感に反応して一時ドル売りが強まった。

・ECBは市場予想どおり金利を25bps引き下げた。

13日(金) 日足:大陽線

週を通して報道各社から日銀の利上げ見送り論が報じられてきたことで、週末・FOMC・日銀会合を見据えた円買いポジションのクローズが進んだとみられる。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

・日銀短観が『製造業』と『製造業先行き』の項目で市場予想を上振れ。日銀の中村委員が12月利上げ可能性について「日銀短観などのデータを見て」と語ったことでこの日の短観発表には注目が集まっていたが、利上げ観測が強まるほどの強いデータではなかったため円売りが再開した。

今週の相場をまとめると

【主要な中銀会合を控え、ヘッドラインで乱高下】

でした!

アメリカの政策金利 織り込み定点観測

 CMEのFedWatchツールで、利下げ織り込み度を確認します。

 11月下旬末(下の画像1枚目)、先週末(画像2枚目)、そして今週末(画像3枚目)の FedWatch を比較します。パウエル議長のタカ発言や強い米指標を受けて12月FOMCでの金利据え置き観測が一時的に高まったものの、再び25bps利下げがコンセンサスとなっています。

見慣れないと分かりづらいかもしれませんが、これは「いつのFOMC会合で(縦軸)、政策金利がどの水準になるか(横軸)」について、市場がどの程度織り込んでいるか(何%の市場参加者がそう考えているか)を示す表です。