【復習】2024-11-18⇒2024-11-22【相場材料とチャート】

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ざっくり振り返る 今週の相場材料とチャート

今週の高値前日のリスクオフから反発して付けた水曜日の155円90銭付近で、これは前週の高値と比べて80銭ほど下でした。

今週の安値地政学リスクからリスクオフが加速した火曜日に付けた153円30銭付近で、これは前週の安値と比べて1円70銭ほど上でした。

 

今週の高値と安値を比べると、その差は約2円60銭でした。

しっかり振り返る 今週の相場の流れと材料

前週から高値切り上げ・安値切り下げとなったドル円相場を中心に、今週の相場材料

復習します。

18日(月) 日足:上下コマ足 陽線

先週のパウエルFRB議長の「利下げを急がない」発言を受け、12月FOMCでの利下げor据え置き期待は五分五分の状況に。植田総裁の発言もあってドル円は上値を試したが、155円より上では利食いに押された。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

・植田総裁が名古屋でおこなわれた金融経済懇談会に出席し、追加利上げのタイミングについて「先行きの経済・物価・金融情勢次第」と述べた。この日の発言機会に対する警戒から先週は円売りポジションを閉じる動きがあったが、市場が想定していたようなタカ発言がなされなかったことで円売りが再開しドル円は155円に戻った。

19日(火) 日足:下影陰線

ウクライナからロシアに向けて初めて米国製長距離ミサイルATACMSが発射された。ロシアが核使用基準の拡大を決定したばかりのタイミングだったこともあり、市場はリスクオフに傾く。しかし、ラブロフ露外相の発言で一気に反発した。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

ロシア核ドクトリンが変更され使用基準が拡大されたとの一報を受け、円買いが強まる。しかし、この時は154円前半ではしっかり反発して東京時間は行って来いの展開に。(なお、『ドクトリン』とは『原則』や『指針』といった意味の言葉)

 ロンドン時間 LONDON Session

ウクライナがロシアに向けて初めて米国製長距離ミサイルATACMS(エイタクムス)を発射。前述のとおりロシアは核使用基準を拡大しており、核による報復も想定されてリスクオフ展開に。

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

・G20に出席するためブラジルを訪問していたラブロフ露外相が会見に応じ、「ロシアは核戦争を許さぬ立場を厳格に堅持する」「ロシアの核ドクトリンは米国のものと変わらない。西側が注意深く読むことを期待する」などと発言。リスクオフの巻き戻しで円売りが進んだ。

20日(水) 日足:上影陽線

前日に強いリスクオフ展開からしっかりと反発したことで、ドル円は下値を確認した形になって上昇。しかし、ウクライナが今度は英国製長距離ミサイルを発射。警戒感から上値を抑えられた。注目のエヌビディア決算は好調。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

中国は実質的な政策金利である最優遇貸出金利(ローンプライムレート)を市場予想どおり据え置いた。

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

ウクライナがロシアに向けて英国製巡航ミサイル、ストーム・シャドーを発射。再びリスク警戒感が高まって上値は重くなった。ただし、極端なリスクオフ相場にはなっておらず、ロシアの出方を静観するムードか。

・エヌビディアの決算は市場予想を上回る堅調さだったが、発表後の株価は利確の売りに押された。

21日(木) 日足:下影陰線

朝からウクライナとロシアの情勢をめぐってリスク回避の円買い・株買いが進んだ。ロシアがICBMを発射したことが伝わると欧州通貨や欧州株の売りが加速した。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

・ウクライナが米国製ミサイルに続き英国製ミサイルも発射したことで、ロシアの報復に警戒感が高まり、ドル円・クロス円は上値が重い。

 ロンドン時間 LONDON Session

ロシアがウクライナに向けてICBMを発射したとウクライナ空軍が発表。リスクオフ展開となるも、火曜日ほどのパニック感はなくドル円は154円前半ではしっかり支えられた。

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

・新規失業保険申請件数は減少。ただし継続受給者数は増加しており、2021年11以来の190万人台となった。労働市場の需給悪化が確認され、ドル円は上値が重く推移。

22日(金) 日足:下影陽線

前日にウクライナ軍が発表した「ロシアによるICMB発射」について、プーチン大統領が否定。核使用に対する警戒感が和らいだが、週末を控えて方向感に欠ける値動きとなった。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

・前日に報道された「ロシアによるICBMの発射」についてプーチン大統領が「新型の中型ミサイルであり、ICBMではない」とコメント。核使用に対する警戒感が後退しドル円は154円後半まで反発。

 ロンドン時間 LONDON Session

・フランス、ドイツ、ユーロ圏のPMI速報値がいずれも市場予想を下回ったことで、ユーロ相場が再び急落。ユーロ円は162円半ばから一時160円割れまで下落した。

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

・米PMIは上振れて一時ドル買いが強まった。しかし、地政学リスクや日銀・FRBの動向を気にしながらの週末ということで、一瞬155円付けたあとは方向感のない揉み合いに終始した。

今週の相場をまとめると

【ウクライナ・ロシア情勢も、FRB・日銀の動向も不透明で右往左往】

でした!

アメリカの政策金利 織り込み定点観測

 CMEのFedWatchツールで、利下げ織り込み度を確認します。

 前々週末(下の画像1枚目)、前週末(画像2枚目)、そして今週末(画像3枚目)の FedWatch を比較します。今月ここまでの動きをまとめると、米CPIが市場予想どおりの数字だったことで利下げ期待が一時的に高まりましたが、パウエル議長のタカ発言や強い米指標を受けて再び据え置き織り込みが高まってきている状況です。

見慣れないと分かりづらいかもしれませんが、これは「いつのFOMC会合で(縦軸)、政策金利がどの水準になるか(横軸)」について、市場がどの程度織り込んでいるか(何%の市場参加者がそう考えているか)を示す表です。