【復習】2024-12-02⇒2024-12-06【相場材料とチャート】

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ざっくり振り返る 今週の相場材料とチャート

今週の高値日銀の利上げ観測が後退して付けた水曜日の151円20銭台で、これは前週の高値と比べて3円50銭ほど下でした。

今週の安値韓国の政情不安で円が買われた火曜日の148円60銭台で、これは前週の安値と比べて80銭ほど下でした。

 

今週の高値と安値を比べると、その差は約5円30銭でした。

しっかり振り返る 今週の相場の流れと材料

前週から高値切り下げ・安値切り下げとなったドル円相場を中心に、今週の相場材料

復習します。

2日(月) 日足:上影陰線

前週金曜日に「東京CPIの上振れ」+「植田総裁のインタビュー記事」という円買い材料で150円を割って週を終えたドル円。この日の東京時間は安値を待っていた実需の買いが旺盛だったが150円半ばが重かった。欧州勢が参加してくると再び日銀の利上げを意識した円買いが優勢に。先週木曜日の感謝祭から連休を取っていた人も多い米国市場がオープンするとさらに円買いが加速した。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

フランスのアルマン経済・財務相は、国民連合(極右政党)のルペン氏からの予算に関する要求を拒否。政治的混乱に対する警戒感が高まり、ユーロ売り・ドル買いにつながった。

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

ISM製造業景気指数市場予想を上回る 48.4 (前回 46.5 | 予想 47.6)で、新規受注については基準となる50を回復。雇用指数も上昇した。市場は一時的にドル買いで反応。しかし、日銀の利上げ観測の高まりもあってロンドン時間から円買いの流れが続いており、ドル円は再び150円を明確に割り込んだ。

ウォラーFRB理事12月利下げを支持

3日(火) 日足:上下コマ足 陽線

前日同様に東京時間は実需の買いに支えられたドル円だったが、夜は韓国の政情不安でリスクオフ展開に。

時間帯ごとの相場材料

 ロンドン時間 LONDON Session

フランス政府と野党(極右・極左)との交渉が決裂明日にもバルニエ政権の不信任決議がおこなわれるという情勢に。

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

・米国のJOLTS求人件数市場予想を上振れ

韓国の尹(ユン)大統領が戒厳令を宣言。国会が閉鎖された。

韓国中銀の当局者は「必要に応じて市場を安定させるための十分な措置を準備」「必要であれば市場に無制限の流動性を供給する」とコメント。

→軍のバリケードを突破した議員らが過半数の賛成をもって戒厳令の無効を議決

尹大統領戒厳令の解除を受け入れ、軍が撤収。円買いが収束した。

4日(水) 日足:上影陽線

一部メディアで日銀が12月会合での利上げに消極的であるとする記事が配信されて円売りが強まった。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

・東京を含むアジア市場がオープンするまでには韓国政府当局者が「為替と株式の市場は通常通り取引を開始する」と発表。リスクオフ収束により円が買い戻された。

・時事通信が専用有料端末でのみ配信した会員限定記事のなかで、日銀追加利上げに慎重であると報じた。この記事は見ていない(見られない)人も多かったとみられ、市場の反応は限定的だった。

・海外メディアMNI(Market News International)で、前述の時事通信の記事と同様の記事が出る。英語で発信されたこともあり、海外勢にも認識されて円売りが強まった。

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

ADP民間部門雇用者数は市場予想を小幅に下振れた

ISM非製造業が市場予想を下振れ、3ヵ月ぶりの低水準となった。

製造業新規受注は市場予想どおり前月比+0.2%で、3ヵ月ぶりにプラスに転じた。

5日(木) 日足:陰線

日銀審議委員のなかでハト派とされる中川委員が「利上げに反対しているわけではない」と発言したことで、12月会合での利上げ観測が強まった。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

・日銀の中村委員が広島県金融経済懇談会に出席。午前中におこなった挨拶のなかで「まだ賃上げの持続性に自信を持てない」などと発言。利上げに消極的と受け止められ、市場は円売りで反応。

中村委員が午後の会見で「(年内の利上げについては)データ次第」と発言。午前中の円売り反応を意識してか、「利上げに反対しているわけではない」と説明した。市場は円買いで反応し、ドル円は再び150円を割り込んだ。

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

・カリフォルニア州北部で大きな地震が発生したことからリスクオフに傾いて円が買われた。

6日(金) 日足:上下コマ足 陰線

米雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数(NFP)が市場予想から上振れ。ただし失業率が上昇していたため、市場には「12月利下げを阻む結果ではない」と受け止められてドル円は売られた。

時間帯ごとの相場材料

 東京時間 TOKYO Session

・日本の11月実質賃金は10月から横ばいで、3ヵ月ぶりにマイナスから脱した

・前日の中村委員による発言や当夜に控える雇用統計が意識され、リスク選好度の低下から株が売られドル円は上値の重い展開。

 ロンドン時間 LONDON Session

・欧州勢が参加してくると円売りが強まったが大きな材料はなく、このあとの米雇用統計をにらんでのポジション調整だったとみられる。

 ニューヨーク時間 NEW YORK Session

・米11月雇用統計はハリケーンの影響で弱かった前回10月分の反動もあって、+22.7万人と市場予想(+22.0万人)を上振れる強さだった。一方で失業率は4.2%と予想(4.1%)よりも悪化した。この結果を受けてFF金利先物市場では12月利下げ織り込みが70%程度から85%まで上昇し、ドル円は一時149円前半まで売られた。

今週の相場をまとめると

【フランスや韓国の政治情勢不安でリスクオフに傾きがち】

でした!

アメリカの政策金利 織り込み定点観測

 CMEのFedWatchツールで、利下げ織り込み度を確認します。

 11月下旬末(下の画像1枚目)、今週金曜日の雇用統計発表前(画像2枚目)、そして雇用統計を通過した今週末(画像3枚目)の FedWatch を比較します。パウエル議長のタカ発言や強い米指標を受けて12月FOMCでの金利据え置き観測が一時的に高まったものの、再び25bps利下げがコンセンサスとなっています。

見慣れないと分かりづらいかもしれませんが、これは「いつのFOMC会合で(縦軸)、政策金利がどの水準になるか(横軸)」について、市場がどの程度織り込んでいるか(何%の市場参加者がそう考えているか)を示す表です。