Monthly Analyze|2025年8月号|雇用統計ショック後、レンジ継続

こちらの記事は、月末の恒例(にするかもしれない)「Monthly Analyze」。
1ヵ月間、相場を戦い抜いた今、改めて長期足から冷静に見直すコーナーです。
あえて個人的な見解や予想は避けています。
できるだけ思い込み捨ててチャートを俯瞰し、また新たな1ヵ月に向き合っていきましょう。


今月の高値:150円90銭台(前月比 +10銭)
今月の安値:146円20銭台(前月比 +3円50銭)
今月の値幅:4円70銭(前月比 -3円50銭)
7月は月末にFOMCと日銀会合があって、大きめの陽線となりました。
しかし、8月は1日に発表された雇用統計で大幅な下方修正が判明し、反落。
ドル円は、2022年と2023年の上値抵抗となっていた151.90付近までは上昇せずに折り返しています。


週足で見ると、FOMC・日銀会合・雇用統計ショックのあった週(7/28~8/1)の上ヒゲが特に目立ちますが、8月の週足はその後もヒゲだらけ。
雇用統計後の戻り高値は148.80付近でした。
これはジャクソンホール会議でのパウエル議長講演を控え、警戒感からドルが買い戻されて上昇した時のものですね。
しかし、パウエル氏は「政策スタンス変更」に言及し、市場はハト派と受け止め。
その日のうちに一気に146円台半ばまで急落しました。
一方、レンジ下限は146.20付近です。
こちらは、ベッセント財務長官がFRBと日銀に、それぞれ利下げ・利上げを要求する発言をしたことが一因。
(なお、ベッセント氏自身はのちに「要求したわけではない」と釈明しています。)


日足で見ると、雇用統計後は200EMA(指数平滑移動平均線)に上値を抑えられているのが分かります。
終値で上抜けした日もありましたが、翌日にはすぐ陰線で落とされる形に。
雇用統計ショックの大陰線を除けば、次に目立つのはパウエル議長講演の日の陰線。これが22日(金)ですね。(詳しくは → 8/23の記事)
それから、直近では27日(水)の上ヒゲ・コマ足(いわゆる「トンカチ」の形)の陽線も目を引きます。
この日は、フランスの政局不安でユーロ売り・ドル買いが進んだあと、夜は再びドル売りに傾いたという展開でした。(詳しくは → 8/28の記事)
ドル売り要因に挙げられるのは「クック理事の解任騒動でFRBの独立性が不安視されたこと」や、「PCEデフレータを控えるなかでのポジション整理」、それから月末フローです。
この日は月末2営業日前のスポット応当日でした。