【復習】2025-05-12⇒2025-05-16【相場材料とチャート】
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今週の高値は米中の合意内容が発表された月曜日の148円60銭台で、これが前週の高値と比べて2円50銭ほど上でした。
今週の安値は通貨安是正の思惑で円買いが進んだ金曜日の144円90銭台で、これは前週の安値と比べて2円50銭ほど上でした。
今週の高値と安値を比べると、その差は約3円70銭でした。

月曜日は大陽線で始まったのに、週足は上ヒゲ陰線になったドル円相場を中心に、今週の相場材料を復習します。
・米中の貿易協議、1日目。
・米中の貿易協議、2日目。
—ベッセント米財務長官「大きな進展」「詳細はスイス時間12日に説明する」
—グリア米通商代表「貿易赤字縮小に寄与する合意に至った」
—何立峰(か・りつほう)中国副首相「今後の協議に向けた枠組みを設けることで一致」
—共同声明の発表を約束
・ロシアのプーチン大統領がウクライナに対し、15日(木)にトルコでの会談を呼びかけ。
・ウクライナのゼレンスキー大統領は、「木曜日、トルコで待つ」と会談の提案を受け入れ。
東京時間 TOKYO Session
・ドル円は前週の終値(145円30~40銭台)から上窓を開け、146円10~20銭台でスタート。
・トランプ大統領がSNSで「米国時間12日午前9時(日本時間12日22時)に、米国史上最も重要な大統領令の1つの署名する」と発信。
ロンドン時間 LONDON Session
・米中が90日間の関税率引き下げで合意。市場予想を大きく上回る引き下げ幅→リスクオン
— 米国による対中関税 145% → 30%
— 中国による対米関税 125% → 10%
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・ベッセント米財務長官が「今回の水準(30%)が下限で、4月2日の水準(145%)が上限」「いつでも145%に戻すことができる」と述べ、市場の過度な楽観に釘を刺した。
・一方で、同氏は「戦略的に必要な部分で、中国とのデカップリング目指す」としたうえで、「向こう数週間以内に再び中国側と協議」とも発言。市場はこれらの発言を受けて、落ち着いた値動きに。
・トランプ大統領が「今週末にも習近平主席と会談する可能性がある」と言及。
東京時間 TOKYO Session
・加藤財務相が「来週のG7会合の場でベッセント財務長官と為替協議を検討」と発言。
ロンドン時間 LONDON Session
・独5月ZEW景況感指数が市場予想を上振れ→ユーロ買い
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・米4月CPIが、総合・コアとも市場予想を下回る。→ドル売り・株買い
・トランプ大統領がサウジアラビアとの戦略的経済連携協定に署名。→株買い
— サウジが米国に6000億ドル(約90兆円)を投資する。
— エヌビディアが先端AI半導体を使った大規模なサーバーをサウジに提供することが発表され、ハイテク株を中心に買い。
東京時間 TOKYO Session
・G7を控え、再び円安是正に焦点。日銀利上げ観測が高まり、日本の債券利回りが上昇。
ロンドン時間 LONDON Session
・韓国政府当局者が「5月5日に米韓高官が為替協議を実施」と発言。→ドル売り
— 「日本も円安是正を求められる」との思惑。→円買い
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・米政府報道官が「関税交渉の一環としてドル安を模索せず」とコメントし、警戒感が後退。→ドル買い
東京時間 TOKYO Session
・豪4月雇用統計:雇用 +8.90万人(予想 +2.25万人)で豪ドル買い先行も、利下げ観測根強く戻り売り。
ロンドン時間 LONDON Session
・英1‑3月期GDPが+0.4%(予想+0.3%)と上振れし、ポンドは底堅い。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・米小売売上高は市場予想を上回ったものの、伸び鈍化が確認された。
・米PPIは市場予想を大幅に下振れ、インフレ加速懸念が後退。→金利低下・株買い
東京時間 TOKYO Session
・加藤財務相が来週のG7について「ベッセント米財務相と、前回の協議で合意した点に基づいて協議する」とコメント。
— 米韓の為替協議について問われたが「コメントする立場にない」とした。
・中村日銀審議委員が講演のなかで「金融政策について、当面は現状維持が適当」と発言。
ロンドン時間 LONDON Session
・英4月小売売上高は予想をわずかに下振れ。ポンドは小幅安。
・ドル円は145円付近で反発したあと、145円台半ばで膠着。欧州勢は様子見姿勢。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・露ウ停戦交渉が終了。
・ムーディーズが米国債の信用格付けを1段階引き下げ。→米債売り・株売り・ドル売り
― 引き下げ理由には「財政赤字の拡大、利払いコスト増」が挙げられた。
― ドル円は145円半ばまで急落し、日足を陰線に戻して引けている。

今週の相場をまとめると
【米中進展で大陽線スタートも、通貨安是正の思惑で帳消し】
でした!
CMEのFedWatchツールによれば、今週、利下げ織り込みは後退しました。
2週間前(画像1枚目)、1週間前(画像2枚目)、そして今週末(画像3枚目)のFedWatch比較してみます。
年内の利下げ回数については、米国の関税導入による景気後退懸念やトランプ政権による圧力から、一時は年3~4回が優勢でした。しかし、今月は注目指標の雇用統計が上振れ。さらに5月FOMCでは、パウエルFRB議長が利下げ慎重姿勢を維持&FRBの独立性をアピール。こうした流れを受けて、現在は年内2回が優勢となっています。

見慣れないと分かりづらいかもしれませんが、この表は「いつのFOMC会合で(縦軸)、政策金利がどの水準になるか(横軸)」について、市場がどの程度織り込んでいるか(何%の市場参加者がそう考えているか)を示す表です。


