【復習】2024-07-08 ⇒ 2024-07-12【相場材料とチャート】

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ざっくり振り返る 今週の相場材料

今週の高値は水曜日のニューヨーク時間に付けた161円80銭台で、前週の高値は越せず。

今週の安値は金曜日のPPI後に発生した為替介入によるものとされる急落で付けた157円30銭台でした。

▶ 今週の勘どころ!

・7月7日日曜日に行われたフランス議会選挙の決選投票の結果は、第1回投票では1番手だった右派が失速して左派連合が最大勢力に。週初めのユーロは大きく下窓を開けてスタート。

パウエルFRB議長は半期に一度の議会証言に臨み、インフレ抑制に前進があったと述べながらも「今日この場では、次のステップに踏み出す時期についていかなるシグナルも送るつもりはない」とコメント。

ニュージーランド中銀(RBNZ)は、前回会合では「利上げも議論した」とタカ姿勢を見せていたが、10日水曜日に行われた今回会合では「次の金利の動きは引き下げとなる可能性のほうが大きい」とするハト派声明を出し、NZドルは売られた。

米CPI市場予想を下回って米ドル売りを誘った。ただし、初動は160円台後半で買い支えられる。

・米CPI発表から約10分後、161円に戻ろうとしていたドル円は突如急落。ものの数分のうちに159円を割り込み、20分ほどかけて157円半ばまで下げ続けた。為替介入が実施されたとみられる

・12日時点での日銀当座預金の予想値のうち財政等要因の金額が市場の推計値から大きく下ぶれており、11日時点で3兆円強の介入が実施されていた可能性が高い

米PPI市場予想を上回って初動はドル買いの動き。

・米PPI発表から約35分後、再び為替介入を思わせるドル円の急落が発生。前日の安値を割り込んで、一番下は157円30銭台まで。

速報 トランプ前大統領が銃撃を受けるも、すぐに立ち上がってこぶしを突き上げる姿が大きく報じられる。

今週の為替市場は介入騒動に話題の中心を持っていかれた感がありますが、目玉イベントはアメリカの消費者物価指数(CPI)生産者物価指数(PPI)の発表でした。

介入による値動きは確かに大きなものですが、あくまでも一時的なもの。

今後の相場についていくためにはデータをしっかり見ておくことも大事ですね。

あわてんぼうの
カエルさん
あわてんぼうの カエルさん

PPIよりCPIのほうが話題になることが多い印象だけど、CPIが総合もコアも市場予想を下振れたってことはインフレはしっかり鈍化してるってことだよね?

かしこそうな
シカさん
かしこそうな シカさん

CPI総合の前年同月比は前回3.3%、予想3.0%だったところ、結果3.0%。

CPIコアの前年同月比は前回3.4%、予想3.4%だったところ、結果3.3%。

予想と同程度~下振れという結果だったね。

ちなみに前月比の数値については、いずれも予想を下回っているよ。

ただし、PPIの上振れは気がかりです。

CPIが消費側の物価指数であるのに対し、PPIは生産側の物価指数。

よく川の流れに例えてPPIが川上、CPIが川下と表現されますね。

川上で増水が発生すると時間差で川下の水位も上がってくるように、PPIの動きはCPIに先行することが多いのです。

かしこそうな
シカさん
かしこそうな シカさん

PPI総合の前年同月比は前回2.1%、予想2.3%だったところ、結果2.6%。

PPIコアの前年同月比は前回2.4%、予想2.5%だったところ、結果3.0%。

いずれも上振れているね。

前月比についても、そろって上振れているんだ。

あわてんぼうの
カエルさん
あわてんぼうの カエルさん

えっ!じゃあ、次回以降のCPIがまた上がってくる可能性があるのかな。

どんどん利下げしていくのは難しいってこと?

ほかの市場参加者はどう受け止めているんだろう。

それを探る手掛かりになるのが、いつも確認しているFedWatchですね。

今週も利下げ織り込み度の推移を確認しておきましょう!

かしこそうな
シカさん
かしこそうな シカさん

それから、今朝ほど報じられたトランプ氏銃撃事件は大統領選の情勢を一気に動かした可能性があるね。

事件そのもののインパクトもあるけど、AP通信による写真があまりにもインフルエンシャルだった。

雲ひとつない青空にひるがえる星条旗を背景に、血を流しながらもこぶしを突き上げて民衆の声に応える不屈のヒーロー像。

しかも、それを下から見上げているという構図。

『強いアメリカ』を求める共和党支持者ならずとも感じるものがある強烈な写真だった。

これがいっせいに世界に報道されたというのは、選挙戦にも大きく影響するだろうなと思ったよ。

一方のバイデン氏はといえば、このところ足元がおぼつかない様子や政治的にマズすぎる言い間違いが報じられていますからね。

ウクライナのゼレンスキー大統領を、本人の目の前でよりによって「プーチン大統領」と呼んでしまうなど……。

今回の出来事によって、いっそうコントラストが強くなった感があります。

アメリカの政策金利 織り込み定点観測

 CMEのFedWatchツールで、利下げ織り込み度を確認します。

 先週末と本日のFedWatchを比較すると、利下げ織り込みはかなり前進しています。1つめの画像が先週末、2つめの画像がCPI後、3つめの画像がPPIも終えた本日日曜日のFedWatchです。先週末時点では9月会合での利下げ織り込みは72%でしたが、CPIとPPIの結果を消化して90.3%まで上昇しています。

見慣れないと分かりづらいかもしれませんが、これは「いつのFOMC会合で(縦軸)、政策金利がどの水準になるか(横軸)」について、市場がどの程度織り込んでいるか(何%の市場参加者がそう考えているか)を示す表です。

次週に向けて

 まずは週明け、アメリカの大統領選関連のニュースに要注意ですね。衰えを隠しきれないバイデン氏には民主党支援者からも大統領候補を降りるよう求める声が上がっていましたが、今のところ本人は続ける意思を示しています。しかし、本日発生したトランプ氏銃撃事件によって情勢が変わる可能性はあります。

 15日月曜日は東京市場が海の日で休場です。この日は中国のGDPや小売売上高、鉱工業生産といった指標が多数発表されます。また、アメリカでは共和党の全国大会が18日木曜日までウィスコンシン州で開催される予定です。銃撃されたばかりのトランプ氏ですが、予定どおり出席すると陣営から発表されています。

 FRBは次の土曜日からまたブラックアウト期間(次のFOMCが終わるまで政策に関する発言を控える期間)に入りますが、その前に月曜日にはパウエルFRB議長、水曜日にはウォラー理事、金曜日にはボウマン理事がそれぞれ講演を行う予定です。また、そのほかにも要人発言が多い週になりそうです。