【復習】2025-04-28⇒2025-05-02【相場材料とチャート】
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今週の高値は日銀会合翌朝に上値を試しに行った際の145円90銭台で、これが前週の高値と比べて1円90銭ほど上でした。
今週の安値は火曜日の米経済指標の悪化で付けた141円90銭台で、これは前週の安値と比べて2円ほど上でした。
今週の高値と安値を比べると、その差は約4円でした。

5週間ぶりに前週から高値切り上げ・安値切り上げとなったドル円相場を中心に、今週の相場材料を復習します。
・読売新聞が、ベッセント財務長官の言葉として「ドル安・円高が望ましい」と報じた。
・加藤財務相は、読売新聞の記事を受けて「全くもって事実と反しており、大変驚かされた」とSNSで発信している。
・トランプ大統領とゼレンスキー大統領が会談し、米側によれば「建設的な話し合い」をしたとのこと。
・日経新聞が、日銀の5月会合について「政策金利を据え置き」「展望レポートでは成長率見通しを下方修正」と報道。
・ベッセント財務長官がABCのインタビューに応じ、「我々は、強いドル、強い米経済、強い米株式市場のためのファンダメンタルズを整えている」「投資家は、米国債市場が世界で最も安全で健全であることを知る必要がある」とコメント。
東京時間 TOKYO Session
・三村財務官が、読売新聞の報道について「米国側から円高・ドル安が望ましいとの発言はなかった」「先日の報道は事実無根」とコメント。
・中国外務省報道官が、トランプ大統領が25日に「中国の習近平国家主席から電話があった」と発言したことについて質問され、「中国は最近いかなる電話会談もしていない」と回答。→リスクオフ
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・ダラス連銀製造業景況感指数が大幅に悪化。コロナ禍後の最低水準に。→ドル売り
・ベッセント財務長官がCNBCのインタビューで「緊張緩和は中国次第」とコメント。また、禁輸措置を含むエスカレーションも用意しているとの発言も。→リスクオフ
東京時間 TOKYO Session
・東京市場が休場のため動意に欠けるなか、ドル円は前日の売りが一巡して日中はじり高。
・中国の王毅外相が、「譲歩すれば、いじめている側をますます冗長させる」と発言。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・JOLTS求人件数が市場予想から下振れ。→ドル売り
・消費者信頼感指数が市場予想から下振れ。→ドル売り
・複数の経済指標が下振れたものの、トランプ大統領の就任100日演説や日銀会合、雇用統計を控えるなかで様子見ムードに。
東京時間 TOKYO Session
・軍事的緊張感が高まっているインドとパキスタン国境の情勢について、パキスタン側の発表によると、インドが24~36時間以内に攻撃を計画しているという。
・トランプ大統領が就任100日の演説をおこない、政権の成果をアピールした。そのなかで「FRBはあまりいい仕事をしていない」「金利のことはパウエル議長よりもよく分かっている」と、再びFRB議長の批判も。
・休場明けの東京市場は、月末・ゴトー日でもあり、ドル円は実需主導で買われた。
・豪CPIは結果が上振れた。RBAの5月会合では利下げが確実視されているものの、ターミナルレートが市場の織り込みより高い水準になるとの思惑。→豪ドル買い
・赤沢経済再生相が、2度目の関税交渉に先立って「米国側も納得するものにしなければ」「詳細な時間が決まったとの報告は受けていない」と話した。
・中国の全人代大会常務委員は「民営経済促進法」を可決。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・米Q1GDP速報値が年率+1.6%と予想(+2.4%)を大きく下回った。→ドル売り
・ただし、大型テック株の好決算で株は大幅上昇。リスクオンムードが広がり、ドル円は143円台に乗せて引けた。
東京時間 TOKYO Session
・日銀は5月会合で、市場予想どおり政策金利を据え置いた。声明文では、米政権の関税政策がリスク要因に挙げて不透明感を指摘。→円売り
・植田日銀総裁が会合後の会見に臨み、「基調的な物価上昇率が伸び悩んでいるときに利上げはしない」など慎重な発言。市場はハト派と受け止め。→円売り
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・米ISM製造業景況指数は48.7と、前回(49.0)からは下がったものの、市場予想(48.0)ほどの悪化しなかった。→ドル買い
東京時間 TOKYO Session
・2度目の日米関税協議を終えた赤沢経済再生相が会見に臨み、「突っ込んだ話が出来た」「閣僚間の協議は5月中旬以降、集中的に実施」「為替や安全保障の議論にはならなかった」と語った。
・中国商務省が「米国は中国との協議開始を期待し、中国側にメッセージを伝えてきている」「中国はこの点に関して評価をおこなっている(精査している)」との談話を発表。一部の報道機関は「中国が米国の対応を評価」「中国が対米通商協議を検討」というニュアンスで伝え、対米貿易交渉の可能性が高まったとしているが、実際はそこまで歩み寄った内容ではない印象。
・32年間続いた米中間のデミニミス条項(800ドル以下の小口輸入に対する免税制度)が、予め決められていたとおり米国時間5月2日午前零時に失効した。
ニューヨーク時間 NEW YORK Session
・米4月雇用統計は非農業部門雇用者数が +17.7 万人と市場予想(+13.5 万人)から上振れ。ただし、2月、3月分には下方修正も。失業率は 4.4 %と市場予想どおり。雇用市場の堅調さが評価され、株が買われた。→株買い・ドル買い
・トランプ大統領が再び「FRBは利下げすべき」と発言。→ドル売り

今週の相場をまとめると
【米中摩擦と指標に振られつつ底堅く推移】
でした!
CMEのFedWatchツールによれば、今週、利下げ織り込みは後退しました。
3月FOMC後(画像1枚目)、赤沢・ベッセント会談(関税交渉)と加藤・ベッセント会談(為替を含む議論)を通過した先週末(画像2枚目)、そして雇用統計の上振れを受けた今週末(画像3枚目)を比較してみます。
年内の利下げ回数については、米国の関税導入による景気後退懸念から、一時は年4回が優勢でした。しかし、今週は前述のとおり雇用統計が上振れたほか、各国との関税交渉に前進がみられることから、再び年3回が優勢になっています。

見慣れないと分かりづらいかもしれませんが、この表は「いつのFOMC会合で(縦軸)、政策金利がどの水準になるか(横軸)」について、市場がどの程度織り込んでいるか(何%の市場参加者がそう考えているか)を示す表です。


